梅いち凛 ~咲いた津田塾生~

激流を乗り越え世界へ挑む —知られざるラフティングの魅力—

突然ですが、皆さんは「ラフティング」というスポーツをご存知でしょうか? 2016年のリオオリンピックのカヌーで羽根田卓也選手が日本初のメダルをとったことはまだ記憶に新しいかと思いますが、ラフティングはこのカヌーとは違い、ゴムボートで激流を下るスリリングなスポーツです。津田塾には、この少しマイナーな競技であるラフティングに日々打ち込んでいる学生たちがいます。しかも、このうちの4人は11月にアルゼンチンで開催される世界大会の日本代表選手にも選出されました。今回はそんな彼女たちにお話を伺いました。



ラフティングとはどんなスポーツかを、分かりやすく教えて下さい。

浅岡さん「ゴムボートに乗って、激流を下るエキサイティングなスポーツです。主にレジャーとして楽しむものと、私たちが取り組んでいるようなレースラフティングとに大きく分けられます。」

池田さん「レースラフティングにも4種類あって、

・短い距離をいかに速く下るかを競う「スプリント」
・10kmぐらいの長い距離をいかに速く下るかを競う「ダウンリバー」
・短い距離を2艇同時に出艇してどちらが速く漕げるかを競う「H2H(ヘッド・トゥ・ヘッド)」
・コースに設置されたゲートを通過しながらタイムを競う「スラローム」

があります。ボートには4人乗りと6人乗りがあって、毎年交互に変わります。今年は4人乗りなので4人で世界大会に出場することになりました。」

浅岡さん「全種目を2日間に分けて行い、4つのタイムを総合して最終的に順位が決まるんです。練習もそれぞれ分けて行う必要があるので大変です。」

数あるサークルの中で、ラフティング部を選んだ決め手はなんだったのですか。

浅岡さん「ラフティング部の新歓でレジャーとして体験したのですが、経験したことのないスポーツで楽しいなと思って入りました。」

倉持さん「中学校のときにレジャーのラフティングを経験したことがあったのと、部の雰囲気や部員の人柄のよさに一目惚れして入りました。」

池田さん「私は1年生の9月ぐらいにサークル難民となり、部活にもサークルにも入ってなかったんです。そんなときに友人に誘われて新歓川下りに行ったところ、部員の皆さんの人柄の良さに惹かれました。『この部活ならやっていけるかな』と思えたのがきっかけです。」

小林さん「私は何か新しいスポーツがやりたくて。全国を回れるツアーもあるので、その点も楽しそうだなと思いました。」



全員初心者スタートとのことですが、最初はどんな練習から始めるのですか。

浅岡さん「室内で講習などがあるわけではなく、初めから川に行きます。ただ、初めは流れが緩やかな川でラフティングに慣れるところから始めました。」

池田さん「パドルの持ち方や、どうやって漕ぐのかとかからでした。」

普段練習を行う是政川に向かう選手たち

ボートの準備をするだけでも大変そうでした

マイナーな競技かと思いますが、競技人口としてはどれくらいですか。

池田さん「全国で女子は1000人くらいだと思います。」

倉持さん「その中でも同年代は、100人ぐらいかな?」

池田さん「とにかく女子の競技人口は少ないので、ほとんどの大学は男女混合チームで大会に出るんです。女子艇が組めるほど女子がいるのは珍しくて、部としても久しぶりのことです。部活自体は一橋大学とのインカレで、今、全体で現役部員(1~3年生)は23名。そのうち女子は8名です。」



ラフティング部に入って変わったことはありますか。

池田さん「心も体も強くなりました。基本的に活動が外なので、泊まるところも全部テントや車の中だったりするんです。夏は虫がいたり、雨が降ると地面がドロドロになったり、荷物が濡れたり…そういうものに耐えられる精神力が養われました。」

浅岡さん「何かに挑戦するときに、物怖じしなくなりました。『やらなきゃいけないんだからやるしかない!』と。」

倉持さん「土日がすごく楽しみになりました。多分ラフティング部に入ってなかったら、バイトぐらいしかやってなかったんじゃないかと思うんです。平日の授業が大変でも、土日のために頑張ろうって思えるぐらい日頃の活動が楽しいです。」

ラフティングの魅力、醍醐味を教えて下さい。

浅岡さん「まだできて間もない比較的新しいスポーツなので、なにか分からないことがあって調べてもなかなか情報がないんです。そういうときに自分たちで試行錯誤しながらやっていけるっていうのは、悩むことも多いけど楽しい部分かなと思います。」

小林さん「体力とか筋力、漕ぎ方などを色々な面から突き詰めれば突き詰めるほどもっと速くなるので、成長に上限がない。なので、どこまででも頑張れるのが楽しく止められないです!あとは、ものすごい激流が向かってきたときの感覚とか、それを下っていくスリルも魅力ですね。」

倉持さん「『えっ、これ越えられるの?』っていうくらい、自分よりはるかに高いところにあるように感じる波でも、ボートに乗っていると大丈夫なんです。普通の大学生活では経験できない醍醐味があります。」

池田さん「大学生から始めた初心者でも1、2年で世界大会を目指せる競技だということ。そもそも競技人口が少ないのに世界大会があるのもすごいことですし。他の大学もみんな大学からラフティングを始めた初心者が多いから、ちゃんと練習すれば誰でも日本代表を目指せるというのは大きな魅力だと思います。」



11月にはアルゼンチンで行われるU23の世界大会の日本代表にも内定しているんですよね。大会に向けての意気込みを教えてください。

全員「人生のうち、世界大会という大舞台に立てる機会はそうそうないです。代表選考会で戦ったチームや、初心者ばかりのこのチームを親身になって支えてくれる部のメンバー、競技の危険性を理解しつつも見守ってくれる家族に感謝し、全力で漕ぎ切りたいです。メダルで恩返しします。応援よろしくお願いします!」

練習を見学させてもらった日は本当に暑い日でした。野外スポーツということで、ただ見ているだけでも過酷な真夏の炎天下、ボートを漕ぎ続ける彼女たちのバイタリティには驚かされました。また練習中は真剣な眼差しでしたが、練習前やインタビューのときは和気あいあいとしていて4人の仲の良さ、チームワークがにじみ出ていました。同じ大学に通う一学生として、世界大会という大きな舞台で戦うラフティング部を心から応援したいと思います。




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