キャンパスレポート

キャンパスレポート #18 - 2016年5月

新緑のキャンパス

 

木の葉の間から零れてくる陽の光が心地よいです。

桜の季節も終わり、若々しい緑が溢れる季節となりました。
ゴールデンウィークを過ぎて、学生たちも次第に新しい環境に慣れてきた様子です。
五月晴れのすがすがしい陽気の中、キャンパスには課題に取り組んだり、サークル活動に励む学生の姿が見られます。
今回は、そんな学生たちの姿を中心にお届けします。

 

至る所で生き生きとした緑を感じます。



フレッシュマンキャンプ


新入生が入学して1ヶ月、学科ごとに「フレッシュマンキャンプ」が行われました。フレッシュマンキャンプとは、新入生が今後充実した学生生活を送るために、上級生や卒業生の話を聞いたり、レクリエーションやディスカッションを通じて同級生と親睦を深めたりするイベントです。そのうち、5月14日に開催された英文学科フレッシュマンキャンプの様子をお知らせします。

津田塾大学の四季折々の写真を散りばめた、学生スタッフ特製のオープニングムービーが流れ、会場全体に感嘆の息がもれます。

上級生からの学科紹介

アメリカからの留学レポート

壇上にあがった学生スタッフからは、英文学科の学び、コース選択、サークル活動からアルバイトにいたるまで、実体験に基づくさまざまなアドバイスがなされました。2年次以降は進路によっては授業数が異なります。例えば、教職課程に進む学生は特に多くの授業を履修しなければなりません。その一例として示された、びっしりと授業で埋まった時間割に圧倒された新入生からは「おぉ……」という驚きの声が聞こえました。
その後、なんとSkypeを通して現在留学中の津田塾生と中継がつながり、リアルタイムの留学体験記を聞くことができました。

 

座学を終え、次のプログラムは「Campus Hunt」。新入生はグループごとにわかれ、津田梅子先生のお墓など、指示されたキャンパス内のスポットまで探検に行きます。
 

津田梅子先生のお墓を訪れるグループ

新入生はこれらの活動を通して大学に関する知識を得、より津田塾に親しみが湧いたように感じられました。



Freshman Joint 2016


本学のESSサークル(津田塾大学英語会、通称TESS)のうちの一つ、ディスカッションセクションによる「Freshman Joint 2016」が開催されました。

受付の様子。可愛らしい装飾が施されています。

趣向を凝らしたおもてなしです。

この大会には本校の学生のみならず、他校からも多くのゲストが集まります。

今回行われたディスカッションのテーマは、”Home”。入学や進級、引っ越しなどを経験し、新しい環境へ慣れようとする時、ふと思い出すのが「家」というかけがえのない存在。その「家」を改めて見つめてみようという、5月にはぴったりのテーマです。学生たちはいくつかのグループに分かれ、自分の故郷やそこでの経験などを交えながら話し合いました。

グループは少人数で、和やかに話し合いが行われます。

グループ内で出た意見をもとに、「家」について掘り下げていきます。

午前の部では主に「自分にとっての家とは」という疑問から始まり、そこから派生して「homeを構成する要素とは」という問題について話し合われました。学生たちは始めこそ緊張していたものの、少人数のグループであるということに加え、身近なテーマということもあり、時間が経つにつれて少しずつメンバーと打ち解けてきているようでした。

お昼頃には教室をでてくるグループも。さながらピクニックのような青空ディスカッション。とても気持ちが良さそうでした。

ディスカッションの終わりには、ディスカッションメンバーそれぞれに心を込めてメッセージを書きます。

大会の締め、Closing Ceremony

最後にゲストを拍手でお見送り。「おつかれさま!」「ありがとう!」と温かい雰囲気に満ちていました。

今日の出会いにハイタッチ!

ゲストを送り出し、おもてなしを終えた津田塾生。ほっとした表情が浮かんでいます。

女子大の津田塾大学ですが、他大学の男子学生も多数来校し、大盛況の1日でした。



「しごと発見!」キャリア講座


そんなフレッシュマンも3年たてば就活生です。世の中にはどんな職業があって、自分にはどんな仕事が向いているのだろう?進路選択には悩みがつきません。25日、企業で働く本学OGにご協力いただき、「しごと発見!」と題して、仕事疑似体験講座が行われました。今回は、3回シリーズの2回目、株式会社オズマピーアールの方にお越しいただきました。
 

本学の卒業生でオズマピーアルにてPRプランナーとして働く佐藤まどかさん

真剣にメモをとる参加者たち

講座ではグループにわかれ、世の中の「スマホ依存」を解消するためには、どのような戦略が立てられるか話し合いました。そして、考えた戦略をオズマピーアールの社員の方の前で発表し、それに対するフィードバックをいただきました。

大教室いっぱいに学生が集まりました。

参加した学生からは「自分の力によって、誰かの才能が広く認められたり、世の中の風潮や考えを変えられるかもしれないPR・広報はとても魅力的だと思った。」(国際関係学科2年生)、「PR=広告だと思っていましたが、商品のメリットを魅力的に見せることだけがPRではなく、スポットライトを当てるための工夫すべてがPRになり得るということに気がつきました。」(国際関係学科3年生)といった声が上がりました。これまでPR業界に詳しくなかった学生も、この仕事体験を通して、実際に働くイメージが浮かんできたようです。

次回の第3回「しごと発見!」キャリア講座(ゲスト:日立製作所で働くOG)は6月29日に開催されます。次はどんな発見の扉が開くでしょうか。




「大学生の発達障害」とは


25日には、本学の講師である吉村麻奈美先生による講演会、「大学生の発達障害—その困難への理解と支援のヒント—」が行われました。
この講演会は津田塾大学インクルーシブ教育支援室(以下:IES)によって開催されており、大学を誰もが過ごしやすい環境に変えていくという目的の下、IES研修生以外の学生、教職員の方まで幅広く受講できます。
 

今回講演してくださった吉村麻奈美先生。普段は国際関係学科の専任講師とウェルネスセンター専任カウンセラーを兼任されています。

多くの学生が興味を持ち、教室に集まりました。

「発達障害」の診断名や診断基準は、変遷をたどってきた経緯があります。しかし、具体的な診断名や診断基準について学ぶよりも、その人が「どう困っているのか」、「その困難を少しでも和らげるためにはどうしたらいいのか」を考えることの方が、より重要です。
 

先生のお話を真剣に聞き取り、メモをしています。実はこの行為も、発達障害と関係があります。発達障害の傾向を持つ方は、二つの作業を同時に行うことが苦手である場合があります。つまり、『聞く』という行為と、『書く』という行為を同時に行うことが、とても難しいという人もいるのです。

真剣にDVDを視聴している様子が窺えます。

発達障害に関する概観を捉えたところで、次は大学生という立場に身を置いたとき、発達障害の傾向を持つ人が遭遇しがちな具体的な困難について考えていきます。例えば、「サークルの飲み会」や「コンパ」などのシチュエーションで感じがちな困難として紹介された「雑談が苦手」「人が多いところが苦手」といったものは、学生たちにとっても無縁なものではありません。ということは、発達障害とは多かれ少なかれ、誰もが持ちうる要素によって構成されているものなのかもしれません。
 

スライドに映し出された絵について、受講生にインタビューする場面も。

受講生たちはお話に時折頷いたり、真剣にメモを取ったりしながら、新しい知識を吸収しようと積極的に参加している様子でした。
「『理解する』ことは支援の大きな一歩」。そのきっかけは、私たちの日常生活の中にもたくさん転がっているのかもしれません。




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暑い日が続き、少しずつ夏の気配が感じられるようになってきました。
6月に入ると梅雨が始まり、キャンパスがまた違った表情を見せてくれるに違いありません。
それでは、6月のキャンパスレポートもお楽しみに。