津田塾探訪

津田塾探訪 #14-「こだわり」で溢れた憩いの場

今年の3月に改修工事が行われ、リニューアルオープンした学生食堂。この記事を読んでくださっている方の中にも、利用者は多いのではないでしょうか。5月末に公募で集まった124件の中から選ばれた「PLUM terrace」という名称に決まり、小平キャンパスの新しいシンボルになりそうな予感です。今回はこの改修プロジェクトのために結成された「食堂改修ワーキンググループ」の中から、管理課、学生生活課、図書館の職員のみなさんにお話を伺いました。

「ナチュラル」がテーマの内装。ランチタイムが楽しくなります。

—食堂改修の経緯について教えてください。
 
「2015年に厨房を新しくしてから、そのうち椅子も机も綺麗にしたいねという話がありました。どのようにしようか考えはじめた時期に、ある会社から食堂利用の実態調査をさせて欲しいという依頼があったんです。後日その結果を教えていただいたところ、食堂の座席の利用率が50%ほどしかないことがわかりました。前の食堂の座席数は580席でしたから、290席使われるか使われないかですよね。同時に行った学生へのアンケートでは「いつも混んでいて席がない」という声が多かったのに利用率は低い。そこで、この改修では利用率を上げることがテーマになりました。」
 
—改修するために行ったことは何ですか?
 
「まずは食堂のレイアウトから見直そうということになりました。前の配置だと使いづらいということはわかっていましたが、どう改善すれば最も効果があがるのかを把握するため、学生にアンケートに協力してもらって調査をしました。700件の回答が集まりましたが、その中でも驚いたのが、食堂を一人で利用する学生が多いということ。予想通りだったのは、通路が狭い、うるさい、暗いなど、私たち自身も感じていたことでした。」 

以前の食堂の調査結果。スペースにより若干異なるものの、利用率が全体として50%を切っていたというから驚きです。

アンケートを読んで見えてきた津田塾生の特徴

「アンケートを読んでいて思ったのは、津田塾生は一人の時間が欲しいのかなということ(笑)。グループで利用することが多いのかと思いきや、『全部一人の席でもいい』という回答や、仮眠室が欲しいという声もありました。課題や授業に追われる中で、一人でゆったりとくつろげる場所も必要とされているんだなと思いました。」

新しく誕生した一人席はコンセントも付いていて、ついつい長居してしまいそう。

コンセプト決め、そして予算とのたたかい

 「次にコンセプトを決めました。アンケートをもとに、どんな目的で使われるのかを考えました。さまざまな用途で使ってもらいたいと思ったので、1人でも、複数人でも使えるようにレイアウトを変えられるようにしたり、短時間利用、長時間利用で席を分けたりしました。内装の色などは、依頼した6社に提案していただいた完成予想図をもとに、ワーキンググループで決めました。業者さんに任せっきりではなく、自分たちが主体となって決めたかったんです。席と席の間を以前よりも1.5倍広くしたので席数自体は減っていますが、結果として今は利用率が70%以上にあがったのでホッとしています。」

レイアウトを変えることで、2人でも大人数でも使えるラウンジエリア。



Eat’n’Goエリアは、背もたれのない椅子を採用することで回転率をあげています。

—テラス席も新しくなって、窓から見える景色が素敵ですよね。

「そうなんです。今のテラス席のアイデアはバリアフリー化を考える中で出てきました。スロープを正面につけたいという話が出て、かといってスロープだけつけるのは見た目があまり良くないなと。それじゃあウッドデッキにスロープを取り付けて、テラス席も新しくしようということになりました。改装後は清潔感も出て好評です。」

リニューアルオープン時は、桜を見ながらランチという贅沢な時間が楽しめました。

—苦労したことはありましたか

「居心地の良さを追求して理想を詰め込んだ結果、見積り額が予算の3倍になってしまって、そこから絶対に必要なものを残して、そうでないものを削っていく作業が大変でした。内装は装飾系のものを削ってシンプルに。デジタルサイネージをつける案はギリギリまで悩みましたが、予算の都合上諦めました。お座敷席も留学生にウケがいいかもしれない、ということで置きたかったのですが、メンテナンスのことを考えると断念せざるを得ず……。他にもオーガニック自販機とか、妥協したものは数えきれません。逆に譲れなかったのはルーバーという装飾で、天井の機械を目立たなくする効果も狙っています。カフェエリアなど、外から目につくところにはこだわりました。」

写真上部にあるルーバーなど、細部まで工夫されたカフェエリア。

こだわりを詰め込んだインテリアの数々

「カフェエリアはルーバーだけでなくインテリアにもこだわって、名作家具をたくさん置いてあるので是非使ってください。」と管理課の菊池太陽さん。もともとデザインやインテリアに関心があり、家具が好きだったため譲れなかったそうです。

カフェエリアにあるインテリアは菊池さんセレクトの逸品ばかり。

ペンダント照明であたたかさと可愛らしさをプラス。

グループワークエリアは壁がホワイトボードになっていてマグネットも貼れちゃいます。 このエリアでは、第二外国語の「外国語チャットルーム」が開催されているので興味のある方はぜひ。

津田塾の良さを再発見したと語る泉水さん (写真左)とインテリア選びに活躍したという菊池さん (写真右)。

このプロジェクトを通して実感した、津田塾の魅力

「私は普段、学生生活課で寮に関する業務をメインに担当しているため、長期的な、ゴールの決まっていない仕事がほとんど。決まったゴールを目指して活動する今回のプロジェクトは、普段の業務では経験できない達成感がありました。」と学生生活課の泉水萌々子さん。

「何度も行われた会議では、職員として勤務して3年目の私でも自由に発言でき、それが反映されることが嬉しかったです。大規模な大学だとこういうことはなかなかないので、いろいろな人の意見が反映されるというのが、津田塾のような小規模大学の良いところだと思います。」

—ワーキンググループとして活動してどうでしたか。

「ワーキンググループの発足は2017年の夏になる前で、当初は数ヶ月で解散する予定だったのですが、気がつくと一年経って今に至っています(笑)。こういう工事は普段、管理課だけですることが多いのですが、より多くの方の意見を聞こうとアンケートをとったことで得た発見もたくさんありました。」「こういう形で、普段なかなか関わることのできない学生のことを知ることができたのは貴重な経験でしたね。」と管理課の池田菜摘子さん。 (写真右)

「次は裏庭をイングリッシュガーデン風にしたいですね」と話すのは図書館の山崎香織さん(写真左)。

学生だけではなく、教職員からの反響もかなりのものだったという今回の食堂改修。
今まであまり食堂を利用しなかったという方も、これからも利用し続けようという方も、ワーキンググループのみなさんのこだわり溢れる空間を思う存分活用してみてはいかがでしょうか。

さて、次回は食堂で働く「人」がテーマのインタビューです。お楽しみに。


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