先生、あの話をしてください

異国の地で暮らす

いつも素敵な声と優しい言葉づかいで、楽しく授業をしてくださる近藤ゆう子先生。
そして授業の中で時折お話しされる、海外に住んでいらっしゃった頃のお話は、私にとって、とても興味が湧いてくる、もっと知りたい!と思うものでした。
そこで、今回は近藤先生の、子供のころから現在に至るまでの様々な海外生活における経験についてお伺いしました。



海外生活での苦労


—近藤先生は、いろんな国に住んでいらっしゃったのですね。やはり国が違えば苦労されたこともあると思うのですが。
 

「はい。一番大変だったのは、ベネズエラで全く英語が分からなかったことですね。例えば、先生がhomeworkって言って宿題があるのは理解できるけど、何が宿題なのかが分からず、後で先生に聞きに行かなくちゃいけなかったし、友達もなかなか出来ませんでした。その頃は辛かったかな。」
 

—なるほど。
 

「ただ、1年ぐらい経ったある時、『あれ、いつの間にか私先生の言ってることが分かる』って思った瞬間がありました。でも、無我夢中だったからどうしてそうなったか覚えてなくて。それは皆に伝えてあげられないのがちょっと残念かな。」

—大人になってからは何かありますか?
 

「エジプトでの生活です。エジプト人はアラブ商人の末裔なので、こちらから値切らないと外国人には必ず高くふっかけてくるんです。『自分は拙いけどちゃんとアラビア語を話せるし、この土地に住んでいるから値段を知ってますよ』というアピールをしながら交渉をする毎日が疲れました(笑)。あと、暑さもありますね。日中、日向だと40度は軽く超えていたと思います。熱射病にも2回くらいなりました。もちろん、楽しいこともありましたけどね。」
 

—私は、海外でコミュニケーションをとることに苦労するのではないかと、つい不安になってしまうのですが、そういう苦労はありませんか?
 

「あんまりないかな。私の場合、趣味のダンスを通して自然とコミュニケーションがとれるので。それに、私は音声学が専門なので、コミュニケーションをとりながら、色々なアクセントの勉強もできて一石二鳥でした。だからあまり苦労は感じませんでした。」
 

—なるほど。それはいいですね。
 

海外生活での思い出


—では、海外生活の中で、印象に残っている料理は何かありますか?
 

「印象に残っているのは、エジンバラに着いた日に食べたカレーですね。それまで家族や夫と住んでいたので、初めての一人暮らしにちょっとホームシックにもなりました。そのうえ出てきたカレーが、全く味がしなくて。これからこれを食べなければいけないのかと思うと本当に辛かったです。でも、すぐにお友達もできて、2,3か月経って同じカレーを食べながら、あぁ美味しい、と思っている自分が怖かったですね(笑)。」
 

「あと、もう一つ思い出に残っているのが、Thanksgiving Dayの時にアメリカ人の友達のお母さんが、何もご馳走してあげられないからって代わりにお金を送ってきて下さって、スペイン人、アメリカ人、イギリス人、ベルギー人、フィンランド人というとても国際的な仲間と、チャイニーズレストランで美味しく頂いたのが楽しい思い出かな。」
 

—これまで暮らしてきた中で、とくに住みやすかった街や好きな街はありますか?
 

「やっぱりエジンバラは好きな街ですね。都市なので、博物館とか映画館、劇場などの文化的なものは何でもあるのですが、すぐ横に自然もありました。寮の近くには昔火山だった丘があったり、ウサギとかキツネが寮の庭まで来たこともあったりして、文化と自然の両方を兼ね備えているのでエジンバラが好きでした。」

—今でもその時のお友達とは連絡を取っていらっしゃいますか?
 

「そうですね、私は手紙が苦手なのであまり頻繁には連絡は取っていないのですが、たまに向こうから連絡があります。時々ふっと日本に来ることもあって、家に泊まった人達もいるし、私が留守で夫しかいない時に家に泊まって、富士山に登ったフィンランド人のカップルもいましたね。」
 

「あと、スコティッシュカントリーダンスを踊っているので、そのサマースクールがスコットランドである時にはいつもエジンバラに泊まっていました。その時に泊めてもらうお家の方ともとても仲良しで、日本に遊びに来てくれることもあります。」

これから行ってみたい国


—では、これから新しく行ってみたいところはありますか?
 

「今、『赤毛のアン』を読んでいるので、カナダのプリンスエドワード島に行ってみたいです。あと、もう一度エジプトに行って、夫の発掘のお手伝いをしたいです。発掘する人のご飯作りとかでも構わないので行きたいです。逆にどこか行きたい国はありますか?」
 

—私もイギリスに行ってみたいと前からずっと思っていますね。第二外国語でフランス語を取っているので、フランスにも行きたいです。でも、とにかく色んな国に行ってみたいです。
 

「留学だと色々大変だけど、なにか趣味を通じて世界中の人と出会えると楽しいですよ。さっき話したサマースクールにも色んな国の人がいて面白いです。」

 

学生へのメッセージ


—では最後に、色々な経験をしてこられた先生から、学生にメッセージをお願いします。
 

「今留学したいと思っても、お金などの理由で難しいかもしれないけれど、上手に機会を見つければ、会社に入って研修で行ける事もありますよ。ただ語学留学をするよりも、趣味でも勉強でも良いので、何か目的を持って行くと良いと思います。」

 

異国の地、多様な言語が入り交じる黒板


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