梅いち凛 ~咲いた津田塾生~

今こそ知りたい津田塾祭 ~実行委員会インタビュー~

2023年10月21日(土)、22日(日)に小平キャンパスにて行われる第64回津田塾祭まで、1週間となりました。学園祭の運営を担う実行委員会をはじめ、日頃の成果を発表するために参加するサークル・団体の準備も佳境を迎えていることでしょう。

 
今回は津田塾祭を楽しみに待つplum garden読者の皆さまに、「わくわく」をお届けすべく津田塾祭実行委員会を率いる委員長・副委員長へインタビューを実施しました。
 
記事の前半では、2022年度に開催された第63回津田塾祭について、第63回津田塾祭実行委員会委員長の玉川さん、副委員長の吉田さんと共に振り返りました。
 
記事の後半では、いよいよ迎える2023年度第64回津田塾祭について、第64回津田塾祭実行委員会委員長の佐藤さん、副委員長の河上さんからお話を伺いました。

2022年度・第63回津田塾祭

玉川さん・吉田さん

第63回津田塾祭は、2022年10月22日(土)、23日(日)に小平キャンパスにて開かれました。定員制・事前予約制の制限はありましたが、実に3年振りの対面開催でした。
「創造」を意味するcreationと、「繋がり」を意味するnexusを掛け合わせた造語である「#Crenexus」をメインテーマとして、さまざまな企画で盛り上がりを見せました。


Q.第63回津田塾祭で特に印象に残っている企画について教えてください。

吉田さん:当日は中庭ステージの隣に設置された本部で仕事をしていたので、中庭ステージで行われた甘党男子*1さんのパフォーマンスが印象に残っています。甘党男子さんは、学園祭実行委員会がいる本部にも、手を振ったりポーズを決めたりとファンサ—ビスをしてくれて、委員も楽しむことができました。

玉川さん:甘党男子さんは実行委員への対応もとても優しくて、挨拶に伺った際も「一緒に写真を撮りましょう」と言ってくださったんです。お客さんもみんなパフォーマンスを楽しんでいて、会場が盛り上がっていたので、学園祭を活気づけてくださったことが印象に残っています。

*1 甘党男子:スイーツがコンセプトのアイドルユニット

甘党男子さんによるじゃんけん大会を楽しむ来場者の皆さん

吉田さん:またシロとクロ*2さんの演奏も印象に残っています。シロとクロさんは夕方の出演だったので、夕日に照らされるなかでの演奏でした。小さく綺麗な中庭に響く大きなバンドの音がエモくて、印象深かったです。

*2 シロとクロ:山陰発のロックバンド


夕方の中庭ステージ

Q.委員長・副委員長という役割を担うなかで大変だったことは何ですか。

玉川さん:チーフや皆と協力していましたが、私が務めた委員長は「自分が最終的な決定をしなければいけないんだ」というプレッシャーがありました。2022年度は、津田塾祭がコロナ禍以降初めて対面で開催されたので、コロナ感染予防対策を厳しく行いました。「クラスターが出たらどうしよう」という不安が津田塾祭が終わってからも、1週間くらいあり「出ませんように」という気持ちで一杯でした。
あとは委員が全員で70人くらいいたんですけれど、辞めたい子がいたり、委員の間で問題が起きたりしました。中立な立場から声を掛けることや、辞めたい理由を教えてほしいことを相手の状況を考えながら伝えるのが、委員とのコミュニケーションとして難しかったです。対面の会議ができなかったこともあり、そこが一番大変だったなと思っています。

吉田さん:参加団体の統括を担当していたのですが、3年振りの対面開催で引き継ぎの情報が少なかったので、手探りでした。参加団体向けの説明会をどういう内容にしようか、どうやって進めようかと考えるのが大変でした。
また、会ったことのない人にLINEやメールでやり取りをしてお願いすることも多くありました。会議が対面でないことによる意思疎通の難しさがあったと思っています。

Q.乗り越えるために実践したコミュニケーションについて教えてください。

吉田さん:オンラインで開いていた全体会議では、カメラオンにすることが多かったです。会えなくても顔が見える形で会議することで、協力し合っていこうと意識するようにしていました。

玉川さん
:文面だと自分が言いたいことが伝わらないこともあります。ですがzoomだとリアルタイムで話せるので、会議のときに「こういうことに気をつけてね」とか「一緒に頑張っていこうね」とか、その場で伝えるようにしていました。

Q.3年ぶりの対面開催で、無事開催を遂げてどう感じましたか。

玉川さん:津田塾祭の片付けの日に、実行委員会のメンバーでお疲れ様会としてビンゴ大会をやって、その後に気持ちを伝える機会を設けました。その時にみんな泣いてしまうくらいの達成感を感じたんですよね。津田塾祭が近づく9月以降は、土日も集まって実行委員のシフトを組むなど、休日も使って作業をして。実行委員会の各部門のチーフも、たくさんの時間を費やしました。
いろいろな人と連絡を取りながら準備を進めてきて。大学の職員さんや来場者の方からアンケートで「よかったよ」というコメントをいただき、「やってよかったな」と思えました。
 
吉田さん:準備のために玉川さんの家にお邪魔して、一緒に作業をしたんです。開催のためのマニュアルにどういった情報を入れたら分かりやすいかなと、考えながら頑張って作ったので、終わった後は達成感がありました。津田塾祭後のお疲れ様会でも、三役チーフをはじめ実行委員全体に感謝を伝えることができました。学生生活課の方も来てくださって「お疲れ様会も思いを伝え合うことができるよい企画でした」と褒めていただけて、そこも含めてやってよかったなと思いました。次年度の津田塾祭に向けて次の三役チーフを決める際に、立候補してくれた子が多かったのも嬉しかったです。
 
玉川さん:特に嬉しかったのが、中庭ステージに出演した甘党男子さんが、アンケートのベスト団体を答えるところで「津田塾祭実行委員会のみなさん」と書いてくださったことです。嬉しくて部室に飾っていました。

Q.今年度の津田塾祭に対して感じていることを教えてください。

吉田さん:オンラインの会議のときも冒頭10分はみんなの個人的ニュースを共有する時間を三役チーフが設けています。全体会議も最後の1ヶ月は対面で開催していて、私たちができなかった、実行委員全体を巻き込む運営をしているなと思います。
 
玉川さん:みんなで近所のカレー屋さんに行ったり、バーベキューをやったり、サークルっぽいこともやっているようです。仲が深まっていて、委員同士で交流する機会が各段に増えました。
今年は食べ物が提供できる分、昨年私達が感じなかった苦労があるんだろうなと思っています。それでも仕事が早くて、できる人達だなって感じています。
 
吉田さん:キッチンカーが来たり、かわいいスイーツを全国から取り寄せたり、飲食系の企画が今年は盛り上がるポイントだなと思っています。
昨年は久しぶりの対面開催で、手探りでやっていた部分もあったので、参加団体の方やゲストの方にご迷惑をかけたこともあったと思います。だからこそ、今年の津田塾祭にも出てくださるみなさまに感謝せずにはいられません。今年の三役チーフは、昨年の反省を踏まえて前倒し前倒しで頑張っています。昨年より更にグレードアップした津田塾祭に、より多くの方に来ていただきたいです。
 
玉川さん:よりよくするためのアドバイスをいただくと共に、暖かく見守ってほしいなと思います。

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2023年度・第64回津田塾祭

佐藤さん・河上さん

2023年度・第64回津田塾祭

Q.第64回津田塾祭のメインテーマ「花車」について教えてください。

佐藤さん:今年度のテーマは「花車」です。これはガーベラの和名なんです。ガーベラの花言葉は、どの色も「希望」「前進」など前向きでポジティブなので、実行委員に合っているなと思いました。
またコロナ禍で昨年、一昨年も我慢を強いられた生活を経験しました。でも今年度は人数制限なしの完全対面ということで、コロナ禍以前の開催方式に戻すことができるので、今後の生活や、津田塾祭への希望も表しています。あとは津田塾生には愛や優しさのあるイメージがあると思うので、そういったもの全部総意で「花車」と決めました。
昨年度のメインテーマは公募で決めましたが、今年度は実行委員会で話し合い決定しました。メインテーマは、津田塾祭を作り上げるにあたっての、委員としての目標、向かっていく先でもあると考えています。委員がみんなで同じ方向を向いて、開催に向けた活動をやって行きたいという思いを込めています。

河上さん
:「花車」を津田塾祭のコンセプトにしたいと思っています。委員全体が一貫して認識しないと、方向性がわからなくなってしまうからです。そこでしっくりきたのがガーベラの花でした。

Q.企画や準備の過程では「花車」はどのように活かされていますか?

河上さん:装飾では、花車がガーベラの和名ということもあって、ガーベラや花のモチーフを沢山使っています。華やかな印象があり、かわいらしい、上品な装飾になりました。
また今年度は管理課の方に協力していただき、正門近くのプランターにガーベラの花を植えることになったんです。構内がガーベラの花で一杯になるイメージで、装飾の準備を進めています。
企画では、縁日で使うボーリングのピンなどでガーベラの花を作っています。宝探しみたいに「ここもガーベラだ」と楽しめるんじゃないかなと思います。

Q.第64回津田塾祭の企画について教えてください。

佐藤さん:今年度は老若男女どの世代の方でも楽しめるような企画を作りたいなと考えているので、全ての企画にぜひ来てほしいという思いがあります。
中庭ステージ企画では、昨年津田塾祭でパフォーマンスしてくださった甘党男子さんが再び来てくださいます。またZ世代を中心に人気急上昇中のアーティストであるASOBI同盟さん、つばさ男子プロダクション設立と共に誕生した新ボーイズグループである世が世なら!!!さんに出演していただきます。
メインゲストのトークショーに、声優・俳優の津田健次郎さんをお呼びします。津田健次郎さんはアニメ「呪術廻戦」の七海建人役、「ゴールデンカムイ」の尾形百之助役、ドラマ「最愛」山尾敦役など多くの作品に出演されています。幅広い世代の方から男女問わず支持されていますし、津田塾大学と津田健次郎さんの「津田」繋がりも話題のきっかけになると思い、お呼びすることになりました。
また学生向け講座にはりかりこさんをお呼びします。「全女子大生におくる!りかりこ最強ファッションショー」と題して、1週間コーデを組んでいただきます。
楽しんでもらう企画だけではありません。津田塾大学教授のお話を聞くことができる「ゆるトーク」や、在学生が受験生の悩みや疑問に答える「受験生カフェ」のような、これから津田塾大学に入ってきてくれる人達のための企画もあります。
このように、どの世代の方も楽しめるのではと思っています。
 
河上さん:友人に伝えた際に特に反響が大きかったのが、飲食系の企画があることでした。1日に4台、2日間で8台のキッチンカーに出展していただく予定となっています。有名なお店にも出展していただけるので、普段はなかなか食べられないものや食べてみたかったものも、もしかしたら津田塾祭で食べていただけるかもしれません。
大学の周辺に住んでいる津田塾生は、国分寺や立川まで出て、美味しいご飯を食べることが多いようです。なので津田塾生にも、大学の近辺に住んでいる方にも、来ていただきたいですね。

河上さん:また今年度は40団体が参加してくださいます。例年行う展示やステージ発表に加えて、今年度は調理が可能になるんです。なのでお茶や軽食を提供する参加団体の方もいらっしゃいます。津田塾祭で調理を行うのは久しぶりなので、実行委員も保健所の方とやり取りを重ねながら準備をしています。学園祭って、飲食ができると盛り上がりが全然違うので、楽しんでほしいです。
 
佐藤さん:今年は特に、小平市や国分寺市、近隣の方との繋がりも大事にしたいと考えています。中庭ステージのゲストとしてお呼びする小平市のご当地ヒーロー・コダレンジャーさんも、子どもたちや小平に住んでいる人たちとの距離が近いので、地域との繋がりが見えやすい企画です。
 
河上さん:津田塾祭の開催にあわせて、地域の方が主催する津田塾祭応援イベントも小平市中央公園で行われます。津田塾祭を地域のお祭りとして、地域と一体化したイベントにすることを、地域のみなさんが考えてくださっているんです。「梅子と鷹の台横断ウルトラクイズ」などの企画を通して、鷹の台の街の魅力を共有・理解することで、地域の方々と津田塾生の交流を深めたいと思っています。

Q.実行委員会の運営をするなかで感じることはありますか。

佐藤さん:更に津田塾祭を盛り上げようということで、さまざまな企画を用意しています。その分、委員一人ひとりの負担が大きくなっているのかなとも思っています。委員長の立場から、委員一人ひとりが仕事だと気負いすぎずにできればよいなと思い、それぞれの企画や部門全体を見ています。それでも忙しくなってくると、難しい部分も正直あるんです。委員一人ひとりを気に掛けるのはもちろん大事です。ですが今年度は入場制限がなくなり、多くの方が来場してくださると思っているので、どの方でも楽しんでいただけるような企画を委員と協力し作り上げていきたいです。

河上さん:完全に従来の方式、人数制限なしの完全対面での学園祭なので、盛り上げたいという気持ちがすごく強くあります。三役チーフで会議をするたびに、新しいことをやりたい、という意見がたくさん出て。委員の人数が足りないのに、やりたいことばかり先行して出てしまっているので、一人ひとりの負荷が大きいんです。それでも全部きっちりこなしてくれていて、本当にありがたいです。

佐藤さん
:津田塾祭を周知するためにも、広報活動も広報部門の人に頑張ってもらっています。渉外部門では、外部とのやりとりを積極的に行っています。他大学と連携し、津田塾祭と他の大学の学園祭を一緒に楽しんでもらうための企画を練っているところです。
あとは、昨年に引き続きクラウドファンディング*3も行っています。広報や渉外での外部との連携のみならず、金銭面でも支援していただけるような、素敵な津田塾祭を作り上げたいです。地域、他大学の学生、外部の方など、いろいろな方たちと関わってたくさん支えてもらって、素敵な津田塾祭にしたいです。

*3 READYFOR「津田塾大学学祭で地域や他大学とのつながりを深め、活気づけたい」支援募集は2023年10月15日(日)午後11:00までです。

2023年10月6日現在の達成状況

河上さん:委員の熱意に応えてくれる外部の方だったり、近隣住民の方だったり、小平市、国分寺市の方をはじめ、他大学の方も協力してくださっています。今年度は特に、いろいろな方と協力して津田塾祭を作り上げていくという感じが伝わってきています。関わっている人が数えきれないくらい多くて、昨年度の状況からは想像できませんでした。コロナ禍で人との関わりが遮断されるなかで高校時代を過ごしてきたので、人との繋がりを感じられて、胸がいっぱいです。運営では大変なことも多いですけれど、楽しいなと感じています。

Q.来場予定の皆さんにお伝えしたいことはありますか。

佐藤さん:コロナ禍前の従来の形式に戻して津田塾祭を開催できるので、感謝の気持ちで一杯です。開催は職員の方、外部の方、他大学の方だったり、地域の方など、本当にみなさんの協力があってこそだと思います。まずはみなさんに感謝の気持ちを忘れずにやっていけたらなと思っています。
また、来てくださった方には「来てよかった」と思ってもらえるような、津田塾祭にしたいなと思っています。まずは委員が心から楽しむことから始まって、その委員の「頑張ったんだ」というよい雰囲気を来場者の方にも感じていただきたいです。開催中に企画を楽しんでもらったり、装飾を見て楽しんでもらったりするのはもちろん、津田塾祭から帰るときに「あぁ楽しかったな、来てよかったな」って思ってもらえるような、よい雰囲気の津田塾祭を味わってもらいたいなと思っています。本当に楽しんでほしいというのが委員としての気持ちです。

河上さん:学園祭って「この大学は、こんな大学なんだな」と把握できる行事なので、1回で大学の印象が決まると思うんです。「津田塾祭のあれが楽しくて、あれが美味しくて」みたいなことをふと思い出すときにも、全部大学に関連して思い出しますよね。津田塾大学の認知度、印象の向上にもつながると思います。
あとは、この場所にまた来たいと思っていただけるような、そんな学園祭にしたいと思っています。来場してくださる方には受験生や、保護者の方もいらっしゃいますし、他の大学祭に足を運ぶ方もたくさんいらっしゃいます。そういう方にも「津田塾祭のここがよかったな」と、小さなことでもよいので、思い出に残るような学園祭にできたら嬉しいです。

佐藤さん:参加団体として関わる学生だけでなく、サークルに入ってない学生にも少しだけでよいので足を運んでもらいたいですね。

河上さん
:授業のない連休なので、旅行に行きたくなったり、休みたくなったりすると思うんですけれど、せっかくなので在学中に1度は参加してくださると楽しいのではないかと思います。

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インタビューはいかがでしたか。昨年度3年ぶりに対面開催にて成し遂げたことを糧に、発展を遂げる津田塾祭は、今年度も楽しい企画が目白押しです。
ぜひ、来週末は津田塾大学小平キャンパスへお越しください。一緒に津田塾祭を楽しみましょう。


第64回津田塾祭

【日程】2023年10月21日(土)、22日(日)両日10:00~17:00(09:45開場)
【場所】津田塾大学小平キャンパス
【開催方式】完全対面開催・人数制限なし・予約不要
【公式サイト】https://www.tsudafes.net/