Tsuda Tsuda C ~津田塾生のホ・ン・ネ~

TTC #11 - キャリア・センター120%活用のススメ

激動の2020年度が終了し、ついに2021年度が始まります。新年度、気持ちも新たに、モチベーションも高まっているのではないでしょうか。
新年度が始まったことで、多くの大学生が改めて向き合うことになるのが、進路の問題。企業に就職するか、公務員や教員を目指すか、大学院へ進むのか、人によってさまざまですが、不安やストレスを感じてしまうのはみなさん同じですよね。また新型コロナウイルスの影響もあり、例年以上に不安を感じてしまう人は多いことと思います。

しかし津田塾大学の学生であるみなさんには、心強い味方が存在します。それは津田塾大学キャリア・センターです。

私自身も就活中は、ES(エントリーシート)の添削や個別相談、模擬面接など、何度もキャリア・センターを利用し、第一志望の企業に内定をもらうことができました。特に、大学のキャリアカウンセラーの方に見ていただいたESは、9割が選考を通過したので、ここで見てもらえると安心して提出することができました。

そこで、この記事ではみなさんにキャリア・センターの魅力をお伝えします。キャリア・センターでできることの紹介はもちろん、津田塾生に協力してもらったアンケート*1を元に、就活での悩みに合わせた活用法や、実際にキャリア・センターを利用して就活を終えた方の活用例もご紹介いたします。

(*1 : 2021年2月16日〜2月28日に実施 回答者27人 Google Formを使用)



キャリア・センターでできること

キャリア・センターは、小平キャンパスだと7号館の1階、千駄ヶ谷キャンパスだとアリス・メイベル・ベーコン記念館の1階にあります。実は、小平キャンパスのキャリア・センターは12月に改装工事が行われました。これまでよりもスペースができ、広々とした空間になりました。

小平キャンパス キャリア・センター 入口横の資料は、自由に持ち帰ることができます


千駄ヶ谷キャンパス キャリア・センター

キャリア・センターでできることは大きく分けて6つあります。新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライン限定になったものもありましたが、利用方法については都度、大学から案内がありました。

・個別相談(ESのアドバイス、自己分析の手伝いなど、様々な相談)
・模擬面接
・資料の閲覧(就職試験報告書、OGアンケート、企業パンフレットなど)
・就職関連書籍の貸し出し(四季報、対策本など)
・求人の紹介
・就活生やOGとの交流

実際のキャリア・センターの見取り図と共に、それぞれどんなことが出来るのか、詳しく見ていきましょう。
※以降の通し番号は、見取り図に示した①~⑧の場所と対応しています。


小平キャンパス キャリア・センター見取り図

千駄ヶ谷 キャリア・センター見取り図

①個別相談

ブースで対面形式の個別相談ができます。個別相談は予約優先で、事前にどんな相談がしたいのか(自己分析、 ESの添削など)具体的に伝えると、当日はよりスムーズに相談できます。

小平キャンパス キャリア・センター 相談ブース①

小平キャンパス キャリア・センター相談ブース②

千駄ヶ谷キャンパス キャリア・センター相談ブース

ESのチェック

インターンシップや本選考のES、履歴書の内容は、第三者に見てもらい、客観的な意見をもらうことで、よりよい内容になります。アンケートの結果を見ても、キャリア・センターの利用法の中で最も多いのがESのチェックでした。キャリア・センターのESチェックでは、「皆さんの中にあるものを引き出して、文字にする手伝いをする」という方針を掲げています。添削というよりも、今あるものをよりよくするアドバイス、を受けられます。そのため、「全然書けない!」と感じていても、とりあえず書いてみてから、チェックを受けるとよいとのことです。

実際にESチェックを受けた学生からは、「納得できるアドバイスを頂けたので大いに役に立った。その際に他の疑問点についても質問でき、親身にお話を聞いてくださった」といった感想が聞かれました。

自己分析

就活の悩みや「こんな仕事がしたい」「こういった仕事は合わない気がする」といった相談をしていくと、自己分析に役立つヒントが見つかることもあります。私自身も、キャリアカウンセラーの方とお話しする中で、客観的にみた私自身の印象を教えてもらい、自己分析に役立てることができました。

キャリアについての相談

アンケートでも、「自分に合う企業や業界がわからない」といった悩みや、「就活で抱える不安やストレスを軽くしたい」といった声がありました。キャリア・センターでは、就職に限らず、ワーキングホリデーやフリーランスについての相談もすることができます!実際に相談をした学生からも「自分の話を聞いて、その人に合った就職活動の方法についてアドバイスをくれた」といった感想が聞かれました。

模擬面接

就活に関する悩みで、上位に上がっていたものが面接への不安です。面接練習はなるべく多くした方がよいものですが、なかなか頼める相手がいないこともありますよね。キャリア・センターでは模擬面接も行うことができます。OGの方が多くいる企業であれば特に、面接の雰囲気やよく聞かれる質問を踏まえて、模擬面接をしてくれます。キャリア・センターのおすすめポイントとして「面接対策を細かくしてくれる」ことを挙げている学生もいました。

②資料の閲覧

小平キャンパス

千駄ヶ谷キャンパス

就職試験報告書(企業、公務員、教員、海外用あり)

実際に企業などの採用試験を受けた学生の体験が書かれたものです。面接がどのような雰囲気だったのか、どのような質問があったのか、合否の連絡はどのくらいで来たのか、どのような対策をしたのか、など、採用試験を受ける際に知っておくと心強い情報を得ることができます。教員を目指している方向けの報告書は、教職準備室に保管されています。
私も志望企業の就職試験報告書を何度も読み、そこに書かれている面接での質問には全て答えられるように準備して、面接に臨みました。エントリーしようとしている企業のファイルがあるか、一度チェックしてみることをおすすめします。

OGアンケート(企業、公務員、教員、海外用あり)

実際にその企業などで働いているOGの方々が、就職してから書かれたものです。実際の仕事内容、仕事でやりがいを感じること・大変なことは何か、福利厚生、職場の雰囲気など、実際に仕事を始めるまでなかなか知ることが難しいこと、就活中は質問しにくいことを知ることができます。

③求人の紹介

大学に届いた求人をチェックすることができます。Webサイトで閲覧できるほか、小平キャンパスのキャリア・センター奥のホワイトボードに掲載されている求人は、キャリア・センターからのおすすめの企業であったり、津田塾大学の学生に向けてきているものばかりです。

④ワークスペース

小平キャンパス

千駄ヶ谷キャンパス

資料の閲覧や、友人との相談など、自由に使えるスペースです。「交流の場」であることをコンセプトに考えている、とのことで、自由にお話することができます。BGMが流れており、リラックスした雰囲気です。

⑤就職関連書籍の貸し出し

貸し出しのルール

四季報やキャリアに関する雑誌、公務員試験や教員試験、SPIやWebテストの対策本などを借りることができます。卒業生に寄贈してもらった本もあるので、一度チェックしてみることをおすすめします。自分で買うにはちょっと高いから、ここで内容をチェックしてから買う、という時にも便利です。

過去問なども多いので、特に公務員や教員を目指している方におすすめのコーナーです。

小平、千駄ヶ谷キャンパス共に、この漫画が置かれています。

1巻の裏表紙を見ると、応援メッセージが!

⑥企業のパンフレット等

⑦外国人留学生、障がい者向けのキャリアコーナー

⑧パソコンコーナー

キャリア・センターのオンライン対応

2020年度はオンライン授業が多く行われていたため、現在キャリア・センターも、オンライン対応を行なっています。キャリア・センターのWebサイトでは、以下のことができます。

  • ・個別相談の予約
  • ・キャリア支援プログラムの予定確認(学内説明会など)
  • ・大学に届いている求人の紹介の確認
  • ・OG訪問についての情報の確認

キャンパスに行くことが難しくても、個別相談や模擬面接、一部資料の閲覧や、求人票の確認はWeb上から行うことができます。


現在休止しているもの

  • ・対面のセミナー
     → オンラインのセミナーに。資料もオンラインにて配布。
  • ・学生生活課の窓口でのOG情報の開示
     → ビズリーチ・キャンパス*2を使用してのOG訪問に。
    今までは3年次の秋頃まで大学をとおしてのOG訪問はできませんでしたが、ビズリーチ・キャンパスを使用することで、学年を問わず、1年生からOG訪問ができるようになりました!
(*2 : ビデオ通話にてOG訪問ができる大学公認の民間サービス。津田塾大学のOGを探してお話しすることができます)


現在主にオンライン対応をしているもの

  • ・セミナー資料の配布
  • ・企業パンフレットの閲覧
  • ・個人面談
  • ・直近2年分の就職試験報告書の閲覧
今後も一部オンライン対応は続けるとのことです。これによって、留学中の方や、長期休暇中に実家に帰省する方々も、キャリア・センターを利用しやすくなりますね。



悩み別 キャリア・センターの活用例

実際にキャリア・センターでできることがわかったところで、実際に就活でどのようにキャリア・センターを利用したらよいかを見ていきましょう。
ここでは、アンケートに書かれていた津田塾生の就活における悩みから、キャリア・センターを利用して解決する方法を提案します!学生生活課の方が、一緒に考えてくださいました。

「どのような業種、職種、企業がよいかわからない」

→大学のキャリア支援プログラムや、キャリア・センター内の資料を活用してみましょう

まずはどんなものがあるのか、インプットすることが大切です。そのために、大学のキャリア支援プログラムや、セミナーに参加するのがよいと思います。特にOGの方が多い所がおすすめです。また、キャリア・センターに保管されている企業のファイルを眺めてみて、先輩がどのような企業を受けていたかを確認することもよいでしょう。そこで気になる企業や職種があったら、そこのOGアンケートをチェックして、企業研究に繋げることもできます。企業のファイルは業界ごとに分けてあるので、気になる業界が見つかれば、近くに並べてある、同業他社のファイルを確認すると、業界理解が深まります。


「自己分析をどうすればよいかわからない」

→個別相談を予約して、相談してみましょう

キャリアカウンセラーの方に相談することで、同世代ではない方に自分がどんな印象をもたれるか知ることができ、また、他己分析にもなります。
自己分析には、「ここまでやったから大丈夫」といった終わりはないので、焦る必要はありません。行き詰まったら、SPIの勉強や企業研究など別の対策をしたり、就活とは関係ないことをしてリラックスするなど、一度別のことをするのもおすすめです。

「どうやってモチベーションを上げたらよいか」

→キャリア・センターの資料を見たり、個別相談で悩みを相談したりして、不安を軽くしましょう

就職試験報告書はOGの方が書いたものなので、後輩への応援メッセージも多く、前向きな内容のものが多いです。読むことで情報も増え、元気になることもあるはずです。就活の悩みや不安は、一人で抱えていると暗い気持ちになってしまいがちなので、就活の話ができる人を作るとよいです。実際にキャリアカウンセラーの方に悩みや不安を話すことで、気持ちが整理されたり、的確なアドバイスがもらえたりして、モチベーションが上がった、という声も聞かれました。

「採用試験の対策が難しい」

→キャリア・センターの就職関連書籍の貸し出しを利用してみましょう

採用試験にもSPI、Webテスト、玉手箱など、さまざまなものがあります。どれを勉強すればよいのか、全て対策しないといけないのか、と不安になりますよね。キャリア・センターで対策本を借りることができるので(数に限りあり)、一度借りてみて、どのような形式なのかチェックすることができます。

キャリア・センター利用体験談

今回は実際にキャリア・センターを上手に活用して内定を得た、2名の学生にお話を伺いました。いつ頃からどのようにキャリア・センターを利用するかなど、参考になる情報を得ることができました。

国際関係学科3年 Fさん(取材時)

  • 1.いつキャリア・センターを利用し始めましたか?
     3年生の6月
  • 2.どのように利用しましたか?
     3年の夏頃:夏のインターンのESの添削と相談(キャリアカウンセラーのKさんによく相談していた)
     3年の秋頃:夏のインターンの反省から、自己PRとガクチカ*3の練り直しを手伝ってもらう(ライティングセンターと併用)
     3年の冬頃:本選考対策(面接の前は必ず予約をし、面接対策をしてもらった)
  • 3.キャリア・センターでできることの中で、一番利用したものは何ですか?
     面接対策
  • 4.キャリア・センターでできることの中で、一番役に立つと思うものは何ですか?
     面接対策自体も役に立ったが、キャリアカウンセラーのKさんが、私のことをいつも気にかけてくださる良き相談相手であったことが、一番大きかった。
  • 5.キャリア・センターのおすすめの使い方を教えてください!
     ライティングセンターと併用して、早い段階から利用し、自己PRとガクチカを800字で用意しておくのがおすすめ。
     一番話しやすい方を見つけ、お世話になるとよい。また、面接前に必ず予約し、面接対策をしてもらうととても心強い。
  • 6.今就活中の人や、これから就活をする人にアドバイスがありましたらお願いします!
     キャリア・センターやライティングセンターは、津田塾に通っている人なら誰でも利用できるので、ぜひ活用した方がよい。活用しないともったいない。キャリア・センターは1週間前には予約しておかないと埋まるので、早めの予約を心がけて。
(*3 : 「学生時代に力を入れたこと」の略。ESや面接で聞かれる典型的な質問の一つ)

国際関係学科4年 Iさん(取材時)

  • 1.いつキャリア・センターを利用し始めましたか?
     インターンシップの応募が始まった、3年生の夏頃から。
     絶対に参加したい!と思っていた企業のESは全て見てもらっていました。
  • 2.どのように利用しましたか?
     ESの添削、自己PRとガクチカの添削、面接対策。
     企業に提出するものはまず自分で大まかに書き、何度か推敲してから、キャリア・センターの方に見てもらっていました。上手く表現できていない部分を一緒に書き直して、改めて自分で考え直して、一番納得いくものを提出できるようにしていました。面接練習は事前にキャリア・センターにESを提出して、練習時は本番さながらにそのESにどんどん突っ込んでもらって、本番に備えていました。
  • 3.キャリア・センターでできることの中で、一番利用したものは何ですか?
     ESの添削
  • 4.キャリア・センターでできることの中で、一番役に立ったと思うものは何ですか?
     ESの添削は非常に役立ちました。1つの企業のESを作り込めば、他の企業のESにも使えるので便利です。ESの完成度を高めておけば、その先の選考も比較的スムーズに準備できた気がします。
  • 5.キャリア・センターのおすすめの使い方を教えてください!
     就職に関することは何でも相談してみればよいと思います。キャリアカウンセラーの方は親身に接してくれますし、インターネット等で調べるよりも、より役立つ情報を沢山くれます。また、キャリア・センターで相談した後は、就活へのモチベーションが上がります。
  • 6.今就活中の人や、これから就活をする人にアドバイスがありましたらお願いします!
     絶対に人と比べず、自分のペースで進めること。就活のことばかり考えないこと(気分転換できることを見つける)。

お二人の利用法を見てみると、共通点が2つ見えてきます。
1つめは、比較的早い時期からキャリア・センターを利用していたこと。
2つめは、まずはご自身で準備をしてからキャリア・センターを利用していることです。

キャリア・センターの個別相談や模擬面接は、夏期インターンの準備をする人が多い6月と、本選考の準備が忙しくなる2月ごろから混み始める傾向があるようです。相談したいときに気軽に頼れるよう、早い時期から個別相談を利用することを、強くおすすめします。7月から12月くらいまでは空いているので、その時期に何度か就活の悩みを相談するなどで、個別相談を利用し、キャリア・センターに「馴染む」とよいと思います。
また、相談時間は1回45分ですが、より効率よく相談するためにも、事前にある程度準備をしてから行くのがよいです。

お二人の他にも、実際にキャリア・センターを利用して就活を終えた学生からは、

「一人ひとりに合った就職活動についてアドバイスをくれる」
「津田塾生が企業に売り込むべきポイントを知っている」

といったおすすめポイントが聞かれました。


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3年生の初めの頃までは、まだ就活のことを考えたくないという気持ちもあり、あまりキャリア・センターに足が向かないこともあると思います。しかし、今まで見てきた通り、キャリア・センターは津田塾生の心強い味方です。
最終的にどの進路にするか決めるのは自分ですが、就活は1人で取り組む必要はありません。いろいろな人に頼りながら進めてよいのです。ぜひキャリア・センターを120%活用していただき、この記事を読んだ方が1人でも多く希望の進路を実現できますことを祈っております。

(イラスト:学芸学部 英語英文学科4年 吉本のえるさん)