Tsuda Tsuda C ~津田塾生のホ・ン・ネ~
TTC #2 - 小平と津田塾、そしてねこ歩き。
『Tsuda Tsuda C 〜津田塾生のホ・ン・ネ〜』は、編集部員が、学校生活の中で感じるリアルな思いを綴るリレー・エッセイです。今回は、plum gardenの顧問でもある、英文学科言語学専門の郷路先生による記事です。津田塾大学のある小平キャンパス周辺のようすを紹介しながら、そこで出会った可愛らしいねこたちの写真をお披露目します。都会の喧騒から離れたのどかな風景をどうぞお楽しみください(松尾奈々絵/plum garden編集長)
小平キャンパスと、その周辺。
津田塾大学は、1931年以来、東京都小平市(当時は「東京府北多摩郡小平村」)にキャンパスを構えています。当時の写真を見ると、大学本館(「ハーツホン・ホール」)は当初、ほとんど何もない野原の中に建てられていた事がわかります。
津田塾生にとって、大学のイメージは小平という土地と強く結びついています。一方では、武蔵野の美しい自然の中で、落ち着いて勉強に打ち込むことができる環境です。しかしまた一方では、都会の刺激や便利さには少々欠ける側面があります。津田塾生がやや自虐的に、「大学の周りにはなんにもないから」と言うのを聞いたのは一度や二度ではありません。
しかしながら、こういう土地柄だからこそ見つけられる楽しみもあります。僕にとってそれは、「ねこ歩き」です。大学に出勤する道すがらや家に帰る傍ら、道端から顔を出すねこを探すのです。
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ねこと出会う日々
僕が教員として津田塾大学に赴任したのは、今から5年前でした。それからずっと、電車を使わずに通勤できる範囲で暮らしています。毎日徒歩や自転車で大学に通っているので、通学途中の学生とすれ違うこともよくあります。
路上で出会うねこには、様々な個性があります。ちょっと近づこうとするとすぐに逃げてしまう子もいますし、向こうから近寄ってきてスリスリゴロゴロしてくる子もいます。
ねこは、陽だまりで佇んでいることが多いです。暖かい太陽の光を求めて家の中から出てきたのでしょうか、車があまり通らない路上でひなたぼっこをしているのを見かけます。
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毎日通る道で、特別何かがあるわけじゃないけど、ふとすれ違う相手がいる。そしていつの間にか「顔見知り」みたいな関係になっていく。僕の場合は相手がねこですが、これが「小平ならでは」なのだと思います。都心の喧騒を離れ、ちょっとだけゆっくりと時間が流れる土地。僕は毎朝、あいつはいつものあそこにいるかな、と、ちょっとだけワクワクしながら大学に向かいます。