わたしのまなびアイテム

まなびアイテム #4 - ジャズレコード

ジャズを聴き始めたのは大学生の頃です。当時はまわりも大学に入ったらジャズに挑戦するという雰囲気があり、多くの人が聴いていましたね。レコードは高かったので、ジャズ喫茶に週に2,3回も足を運んでいました。学生の頃はアメリカの南部作家について勉強し、ジャズは研究分野と関係なく楽しんでいました。今は教える側として、好きな研究と自分の好きな音楽を結び付けたら、私自身も面白いし、学生も興味を持つかなと思っています。
 
アメリカの黒人文学の歴史にはLiterature(文学)の前にVarnacular Tradition(口承文化)というくくりがあります。黒人文学は書きことばではなく、話し言葉から始まっているのです。ジャズの他にも黒人霊歌やゴスペル、ブルースなどがあてはまりますね。書かれた文学の源にはそういった書かれていない口伝え文化があります。ジャズは文学の歴史だけではなく、文学作品にも直接関係があります。例えばRalph Ellisonという作家はもともと作曲家を目指していました。彼はジャズが盛んな地域で育ち、ジャズを聴きながら幼少時代を過ごしました。その影響か、作品の中にはジャズのことがたくさん書いてあります。このことからも分かるように、アメリカ文学とジャズは切り離せない関係ですね。
 
ジャズというのは長年の奴隷制や迫害された歴史から生まれてきた音楽でもありますが、ネガティブなものという捉え方だけではありません。プロテスタントの文化とは少し異なる、独特の優雅さや、しゃれた美学が存在すると思っています。魅力は何と言っても「即興性」ですね。ジャズは元の曲を変奏し、テイクを重ねる面白みがあります。毎回全然違うものをつくっていくという一種のチャレンジ、変えていくというおもしろさがジャズの魅力かなと思います。
 

これは昨年度の津田塾祭(津田塾大学の文化祭)の写真です。2011年に東北の震災で、岩手県のジャズ喫茶「h.イマジン」が流されてしまったことを知りました。ジャズファンとして何かサポートをしたいと思い、東北復興支援として津田塾祭でゼミ生たちとジャズ喫茶を2011年から始めました。教室にはレコードを並べ、ジャズを流し、他大生やプロミュージシャンを招いてライブも行いました。ぜひ今年も開催したいですね。今はジャズがあまり流行っていませんが、興味を引くきっかけづくりにもなればと思います。


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