つだラボ
つだラボ #1 - Lens Between Usに挑戦
『つだラボ』は、学生編集部員が様々な企画に挑戦し、何かを創り上げる過程をレポートする連載記事です。連載第一回の企画テーマは「写真」となりました。しかし、編集部員が選んだのは、ただの写真ではないようです。(郷路拓也 / plum garden顧問)
『Lens Between Us』との出会い
ある日、Instagramで以下のような写真を発見しました。
素敵だと思いませんか?
これは、プロのフォトグラファーであるカップルによる、『Lens Between Us』という作品です。
「お互いにカメラを構えて撮り合う」ことで、自分たちの背後の風景を見せるという、とてもユニークな作品づくりをしています。世界中の様々な場所を二人で旅して、その土地の風景と自分たちをこのような形で写真にのこしているのです。
お二人の作品は以下のURLからご覧ください。
Instagram:http://instagram.com/lensbetweenus
(なお、本家Lens Between Usのお二人からは、plum gardenに写真を掲載する許可を頂いています。)
真似してみたい
向かい合って撮影した写真を並べるだけで、こんなにも奥行きのある画になるなんて、なんて素敵なのだろう。美しい風景の前で向かい合う二人が、どこかポップでかわいい。
自分たちもこの二人のように素敵な写真を、津田塾大学のキャンパスを背景に撮ってみたい。
そして、その作品によって津田塾のことを知らない方々にも、この魅力あふれる校舎や自然などの風景を知ってもらい、気に入ってもらえたらこれ以上嬉しいことはない。
このような想いから、私たちはこのお二人のように写真を撮ることに挑戦することにしました。
最初の挑戦(2014/12/17)
授業が終わった18時頃、集合したのは津田塾の歴史ある本館(ハーツホン・ホール)。
木の温もりが感じられ、長い時を経てきた建物ならではの趣のある本館は、夜の照明効果できっと素敵な雰囲気を醸し出すに違いない。
そんな期待を胸に、二人でスマートフォンを構えてみました。
何枚か撮ってからInstagramのアプリで加工をしてみましたが、その出来ばえはというと、本家のLens Between Usには全く及ばないものでした。本家の作品が発散する「整然とした美しさ」や「楽しさ」が、私たちの写真からは伝わってこないのです。
何が原因なのだろうか。
「夜の撮影のため、画像が荒くなったのではないか」
「撮ることへの意識ばかりで、撮られるという被写体の意識が弱かったから、次は撮られ方も気にした方がいいのではないか」
などの意見が上がりました。私たちは昼間に、もういちど撮影に挑戦することにしました。
二度目の挑戦(2014/12/25)
前回の反省を生かし、今度は明るい時間帯に撮影を開始。写真のアングルや、撮っている自分のポーズを工夫することも意識してみました。
被写体の大きさやポーズ(足を組んだり体の向きを変えたり)にはバリエーションが出て、初めに撮ったものよりは面白みのある作品になった気がします。けれども、やはり本家の作品を見たときのような感動が足りないように思えます。
何を変えたら良くなるのだろうか。
再び考え、そして大事なことに気が付きました。
作品撮りにおいて、スマートフォンには限界があるということです。
本家のお二人は常に一眼レフを構えています。一眼レフは言うまでもなく、スマートフォンのカメラより画質が良いですよね。
そして、スマートフォンを持つ被写体より、一眼カメラを持つ被写体の方が見栄えが良いように感じます。顔が隠れるほど大きなカメラを、脇をしめて両手でしっかり持つ様子は可愛らしいです。
さらには、きちんと「写真を撮っている」感が出るのです。
スマートフォンを構えている人は、メールを打っているようにも、ゲームをしているようにも(はたまた自分撮りをしているようにも?)見え、「カメラを通してこちらを見ている」という印象が弱くなります。これは、『Lens Between Us』のコンセプトにはそぐわないものです。
本家のLens Between Usを見て、「素敵!可愛い!私たちもやってみたい!」と思ったことからこの企画は始まりましたが、自分たちで実際に写真を撮ることで、どれほど難しいことに挑戦しているのかを実感することとなりました。
そして同時に、本家のお二人が撮っている写真は、一見簡単に撮れそうに見えて、実はかなり作りこんで撮っている作品なのだということを知りました。
しかし、ここで諦めるわけにはいきません。もう一度、今度は一眼カメラを使って、撮影に挑戦することにしました。
三度目の挑戦(2015/01/07)
一眼で撮る意味が理解できたからといって、「さあ、早速撮ってみよう!」というわけにはいきませんでした。なぜなら私たちは、一眼カメラを持っていないばかりか、そもそも一度も使ったことがなかったからです。
そこで、顧問の郷路先生に協力していただくことにしました。郷路先生はカメラ・写真がとてもお好きで、一眼レフを複数台持っているという非常に心強い助っ人です。
郷路先生は、自然光が被写体のサイドから入る場所で撮影するのがいいとアドバイスをしてくれました。そこで、撮影場所に、
(1)本館2F廊下、(2)本館302教室、(3)中庭を選びました。
先生は(1)(2)での撮影用に標準レンズを、(3)用に広角のレンズを用意してくれました。
撮影時に特に意識したことは、画面内の縦や横のラインが傾かないように水平を保つこと、被写体の顔にしっかりピントを合わせることです。
また、左右対称で撮る場合には被写体をきちんと真ん中にセットし、ポーズも左右対称を意識しました。
準備を整えて撮影した結果を編集して、こんな作品ができました。
どの撮影場所でもポーズを変えて30枚程は撮り、その中で満足のいくものを選びました。納得のいく1枚のためには、なるべくたくさん撮るのがよいようです。
また、撮影時の光の重要さを実感しました。メリハリのある美しい写真を撮るためには、サイド光を上手く使って陰影を出すことが必要だったのです。上の作品ははどれも自然光が生かされ、きれいに陰影が出せたので、立体感を感じるものに仕上がったと思います。
Lens Between Us @ Tsuda College
いかがでしょうか?やり直しと試行錯誤を経て、私たちのLens Between Usは少しずつ良いものになっていったと思います。
私たちは今回の経験を通して、普段の大学生活で見ている風景が、写真の撮り方次第で大きく見え方が変わることに気づきました。
このように工夫し、応用していけば、津田塾のキャンパスでもっといろいろな作品が撮れそう。
もっと素敵な写真を撮ってみたい、という想いから、この企画をplum gardenの連載として続けることにしました。
本家のLens Between Usのようにレンズを向け合い、津田塾大学の魅力を発見できるような写真を撮る。
その名も『Lens Between Us @ Tsuda College』。
『Lens Between Us @ Tsuda College』の今後に乞うご期待!