つだラボ

つだラボ #8 梅シロップから梅ジャムへ

一章 梅シロップその後

創立者である津田梅子先生のゆかりでしょうか、津田塾大学のキャンパスには、たくさんの梅の木が植えられています。今年の6月、plum garden編集部では梅の実を収穫し、梅シロップをつくるべくビンに詰めました(収穫+ビン詰めのレポート記事はこちら)。この時は氷砂糖と梅の実を交互に入れていっただけで、ビンの中に液体は全くなかったのです。だけど、あっという間に梅の実からエキスがあふれ、氷砂糖を溶かしてシロップとなり、ビンを満たしていきました。

最初は梅と氷砂糖だけ、水分が全くなかった瓶の中が

梅の実から染み出たエキスで満たされていきます。

さらに時間が経つと、液体は黄色っぽい色に変化し、いかにも「梅シロップ」という感じになってきました。ここで私たちは、役目を終えた梅の実を取り出し、砂糖と共に再利用して「梅ジャム」をつくることにしました。
 
というわけで、キャンパスの梅を使い尽くそうという企画、「梅ジャムをつくろう」をご覧ください。


 

二章 梅ジャム完成への道

梅ジャムのつくり方は、こんな感じです。
 
(1) 梅の実から種を取り出す。
(2) 種を取り出した果肉を細かく刻む。
(3) 砂糖やシロップを加えながら煮込む。

単純なのですが、梅の実の数が多いため、結構手間がかかります。
編集部員がキッチンのある6号館に集まり、さあ作業開始です。
 

まず、梅の実から種を取り出していきます。ビンに詰まっていた梅は、すっかり水分が抜けてしわしわになっています。固くてなかなか種が取れない実もたくさんありました。

シロップのビンから取り出した梅の実。

手で一つ一つ果肉を剥き、種を取り出していきます。

次に、種を取り出した果肉を、細かく細かく刻んでペースト状にします。元々用意していたまな板一枚では足りなくなり、キャンパス内の寮に住む編集部員に頼んで、追加のまな板を持ってきてもらったりも。
 
こうしてできた果肉ペーストを鍋に入れ、水とシロップを足して煮込みます。煮立ったらアクをとったりしているうちに、だんだんと梅のいい香りが立ち上りました。

果肉をひたすら刻んで、

鍋で煮込みます。

鍋の中身がいい感じにとろとろしてきたら、火を消して粗熱を取ります。

小ビンに詰めたら、梅ジャムの完成です!

小ビンに分けた梅ジャム。

三章 大試食会

ここからが本番!つくった梅ジャムの試食会です。「梅ジャムに合いそうなものを持ってきてくださいね~」と編集部員に呼びかけておいたところ、集まったのは以下の食べ物でした。


・ヨーグルト
・ホットケーキ
・クラッカー
・ポテトチップス
・アルフォート
・カロリーメイト
・ココナッツサブレ
・にんじん
・ソーセージ
 

 「なんでこれが?」な食材がいくつかあるのが気になりますが、目をつぶって試食会の準備をします。梅ジャムと一番合う食材は、果たしてどれなのでしょうか...
 

試食会のテーブルに並んだ食べ物たち。

ひとつひとつの食材に、できたばかりの梅ジャムを乗せて食べてみます。
 
ヨーグルトホットケーキクラッカーサブレは予想通り「おいしい!」「合うね」の声が。カロリーメイトも高評価です。
 
にんじんポテトチップスは、口に入れた人が皆不思議そうな顔をします。まずいというわけではないのですが、梅ジャムと食材の味が混じり合わず、別々に食べているような感じです。
 
アルフォート+梅ジャムは「これはいける!」派と「合わない...」派に分かれました。チョコレートと果実の組み合わせが好きかどうかで好みが割れるようです。
 
そして一番評価が高かったのは、意外にもソーセージでした。肉の脂と、梅の酸味が絶妙にマッチして、お互いの味を引き立てます。考えてみれば、いろんな国の料理で柑橘類が肉料理のソースになっています。「ソーセージ+梅ジャム」も同じことなのかもしれません。

「これは...おいしいのか?」

編集部顧問の郷路先生も試食会に参加。

四章 後日談

そして後日。plum gardenの編集会議に梅ジャムを持ち込み、そこで新しい食材との組み合わせにチャレンジしてみました。大学生協で販売されている「わらびもち」と「きゅうりの一本漬け」です。
 
わらびもち+梅ジャムは、「まずくはないけど、もうわらびもちじゃないのでは」「梅ジャムがなくていいのでは」という反応。わらびもちに酸味が加わることで、何か別の食べ物みたいに感じられてしまいます。
 
そして、きゅうり+梅ジャムは、誰もが口を揃えて「これは合わない」と断言するショッキングな味。梅ジャムがきゅうりの青臭さを際立たせてしまいます。きゅうりはそのまま食べたほうがよさそうです。

梅ジャムかけわらびもち。きなこをかけるべきかどうかで言い合いに。

きゅうり+梅ジャムを食べた人「ないです、これはないです!」

というわけで、plum garden編集部による「梅ジャムとの相性がいい食材」調査の結果は、
 
1位 ソーセージ
最下位 きゅうりの一本漬け
 
ということになりました。梅シロップ企画から派生して生まれた梅ジャム、意外な発見もあってなかなか楽しかったです。つくった梅ジャムは編集部員で分配し、それぞれおいしくいただいたのでした。

郷路先生は、しばらくの間ソーセージ+梅ジャムがおつまみだったそうです。