津田塾探訪

津田塾探訪#11 ついにお披露目、生まれ変わった千駄ヶ谷キャンパス!

津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス

新宿からわずか2駅。JR千駄ヶ谷駅の改札口を抜けると、正面に淡い桃色の建物が見えます。こちらが今回の津田塾探訪の舞台、「津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス」です。


歩道には神宮外苑の銀杏並木。4年に1回、景観を保つために剪定。樹形を保つために計算しながら剪定されます。



都心、でもゆったりと穏やかな街「千駄ヶ谷」

渋谷区の北東に位置し、新宿からのアクセスの良さはもちろん、表参道や青山、原宿などの人気の街とも隣接する好立地で都会的なエリア「千駄ヶ谷」。一方で、閑静な住宅街や緑地が広がり、都会の喧騒を忘れるような落ち着いた地域でもあります。実際、キャンパスの北側には新宿御苑、東側には神宮外苑があるほか、新国立競技場の建設予定地や東京体育館、国立能楽堂などの施設も近接しており、緑豊かで文化的な地域であることがうかがえます。辺りはゆったりと穏やかな空気が流れ、都心にいながら落ち着いて勉学に励むにはもってこいの場所です。

屋上庭園。東側には六本木ヒルズ、北側は新宿御苑、西側には新宿の高層ビル群を望むことができます。

2017年度から新設される総合政策学部のキャンパスとして生まれ変わったばかりの千駄ヶ谷キャンパス。今回は特別に、4月の開校を前に一足早く訪ねることができました。外観は?内装は?一体どんな施設が?新キャンパスの全貌に迫ります。



なぜ今、千駄ヶ谷キャンパス?

本部キャンパスは東京都小平市にある当大学。「千駄ヶ谷キャンパス」というとどれくらいの人が思い当たるのでしょう。実は千駄ヶ谷キャンパス自体は2008年4月から開設されており、これまでは主に社会人向け大学院や公開講座の拠点として使用されていました。学部学生は長い間ほとんど使うことのないキャンパスでしたが、この度、2017年4月に新設される総合政策学部のキャンパスとなることに。新たに学部生向けに整備されたのです。

千駄ヶ谷キャンパスの歴史は、戦後の混乱期に母校の財政的援助をするためにと、1946年に同窓会理事長となった広瀬千代子氏の尽力により、同窓会が運営する英語スクール「津田英語会」が設けられたことに始まります。この土地は鷹司侯爵邸の跡地で、鷹司家から一坪あたり1円で借り受けることができたそうですが、当時は資金と物資の調達がままならない時代。広瀬氏の言葉に尽くせない労苦が実り、木造の建物が完成、1947年に津田英語会を開講することができました。戦時中は敵性語として排斥された英語ですが、戦後はその必要性の高まりから多くの受講生を集めることができました。

津田塾会はその後、財団法人となって同窓会から独立、津田英語会の他、専門学校津田スクール・オブ・ビズネス、津田ホールの運営などを行いました。 そして、2008年3月、財団法人津田塾会の歴史的使命は終了したということで解散。その残余財産(土地、建物等)は津田塾大学に寄贈され、津田塾大学千駄ヶ谷キャンパスとして再スタートしました。 大学はその間、新たな教育活動を展開するための検討を重ね、総合政策学部開設を決定。2015年4月に旧校舎の解体と新校舎の建築が開始され、2017年1月に校舎が完成し、什器や視聴覚設備、情報関連機器が整備され、この度お披露目となりました。



各所に学生がくつろげ、コミュニケーションを取れるスペースが設けられています。



いざ、新キャンパスへ

まずは外観から。千駄ヶ谷駅の改札口からも目を引く可愛らしい色の外壁は、「あけぼの色」という色のタイルを使用して作られています。この色は、夜明けの空を思わせるやや橙色がかった桃色で、意匠設計を担当した槇総合計画事務所が「これからの始まりを連想させ、新しい学部にふさわしい色」として考えた色です。(注)

外壁。「あけぼの色」という色のタイルを使用しています。

一見複雑な形をした新校舎ですが、駅に面した北側の低層棟(3階建)と南側の中層棟(5階建)からなる1つの建物です。建物内には中庭も有しており、全体が吹き抜けのような構造になっています。

奥に見える建物が中層棟。

屋上から見た中庭。



1F

ではいよいよ中に入ってみましょう。まず、1階東面にあるセキュリティーゲートを設けた正面玄関から入ります。都心の女子大ということもあり、セキュリティー面の配慮は各所に見て取れます。1階には事務室や会議室のほか、カフェテリアやショップもあります。また、ラウンジも多数設置されており、学生の自主学習やコミュニケーションを促進する場になりそうです。

正面玄関。入退館のチェックにはICカードの学生証を使います。

エントランスロビー。デジタルサイネージが設置されています。

1階から見た中庭。

カフェテリア。光が差し込み明るい雰囲気。

同じくカフェテリア。

ミーティングルーム。電動ロールスクリーンが設置されています。

エレベーターホール。エレベーターは2ヶ所に合計3機設置されています。

ラーニングコモンズ。テーブル席とカウンター席、奥にはグループ室も設けられています。

椅子の背中が可愛い。階段は2階の図書館前に通じています。

グループ室。



2F・3F

2階から3階にかけては学部生のためのエリア。少人数教育やアクティブラーニング等に対応した大小様々な教室や講義室があります。建物が吹き抜けのような構造であることに加え、周辺に高い建物がないため、どの教室も日差しが差し込み明るく開放的な雰囲気。また、2階には図書館、3階には多目的室やシャワー室が完備されており、資料調達やサークル活動など、学生の幅広い活動に対応しています。

演習室。どの教室にもプロジェクターが設置されています。

階段のデザインにも特徴があります。

多目的室の壁は1面は鏡張りとなっています。

パウダールームも完備。

机、椅子はグループワークができるよう可動式のものが配置されています。

図書館。まだ図書は配架されていませんでした。

図書館の一角。

広瀬記念ホール(SA305教室)。独創的なカーブの天井が印象的。国際的なシンポジウムにも対応できるよう、同時通訳ブースも設置されています。

広瀬記念ホール(SA305教室)。戦後同窓会長として、千駄ヶ谷の校地取得に尽力した広瀬千代子を記念し「広瀬記念ホール」という名称が付けられました。



4F・5F

4階から5階にかけては主に院生や教員のためのエリアです。こちらも基本的な部屋の様子は学部生の教室と変わりませんが、少し違うのはその景色。北側の窓からは新宿御苑の樹々や新宿の高層ビル群を臨むことができます。

明るく開放的な屋上デッキ。奥の不思議な波打つ屋根は広瀬記念ホールのもの。

奥に新宿御苑の樹々が見えます。

中層棟の「打合せラウンジ」。

津田塾大学の理念である少人数教育を実現するため、小さな教室が多数設置されています。




ここから、始まる。

新しく生まれ変わった千駄ヶ谷キャンパス。新学部生との歴史はここから始まります。この地でどのような成長を遂げるのか、時に周辺地域や社会問題と関わりながら、時に試行錯誤しながら、新たなストーリーを作り上げていくことを期待します。

(注) 津田塾大学総合政策学部HP 千駄ヶ谷キャンパス新校舎 http://fcpd.tsuda.ac.jp/buildings.html
参考文献:『未知への勇気 受け継がれる津田スピリット』(2000年 津田塾大学同窓会)



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