キャンパスレポート

キャンパスレポート #15 - 2016年2月

 

まだまだ寒さの続く2月。長かった授業期間、そして学生にとって最後の正念場である学期末テストを乗り越え、待望の春休みがやって来ました。学生はこの長期にわたる休みを活かし、就職活動やサークル活動、アルバイトや海外旅行など、自分の趣味や将来に向けた活動に打ち込んでいきます。 
学生たちが外へと飛び出していく中、キャンパス内は人もまばらで、どこか寂しい雰囲気が漂っています。今回のキャンパスレポートでは、そんなキャンパスの様子を紹介します。 

本館(ハーツホン・ホール)は、授業に出入りする学生の姿もなく、静かに四月を待っています。

     

こちらは7号館ラウンジ。いつもは談笑する学生で賑わうこの場所も、今は静けさの中に溶け込んでいます。

   

嬉しいことに、休暇中であっても図書館は開館しています。勉強に勤しむ学生の姿もちらほら。

 

就職活動に向けて



2月1日から3日にかけて、就職活動準備講座の一環として、平成28年度に卒業する学生を対象に、「グループディスカッションゲーム」、「面接ゲーム」が行われました。 

グループディスカッションゲームが始まる前の様子。緊張した空気が感じられます。


今年度は3月から就職活動が解禁されるため、学生はこの準備期間で追い込みをかけます。 
ディスカッションや面接と言っても、あくまで「ゲーム」。実際のものとは異なり、学生がそれぞれ「学生側」「企業側」といった役割を持って、互いの評価をし合うという形式が採られました。 

面接ゲームの様子。奥から観察者側・学生側・企業側に分かれています。

グループディスカッションの様子。出た意見をメモする様子も、真剣そのもの。

何度も回数をこなしていくことによって、場の空気に慣れ、実際のディスカッションや面接にも対応できるように経験を積んでいきます。 
各日とも教室が一杯になるほど多くの学生が参加し、迫る就職活動解禁に向けて、気持ちを高めていきます。 

  

入学試験

                      

校舎に向かって歩を進める姿から、気概が感じられます。

就職活動に向けて動き出す学生たちと時を同じくして、2月初旬、一般入学試験が行われました。大学独自の問題が出題されるA方式では、2月5日に国際関係学科、6日に英文学科、7日に数学科、情報科学科の試験が行われ、センター試験と大学の個別学力試験を併用するB方式の入学試験は、全学科2月29日に行われました。 

駅から大学までの道には、目印となる看板が立てかけられました。

多くの受験生が一堂に会し、静かだったキャンパスは張り詰めた空気に包まれました。幸い、今年は雨や雪なども降らず、天候に恵まれました。

A方式の合格発表は、2月14日に行われました。 最近はインターネットで合否を確認することができるため、大学まで足を運ぶ人は少ない印象でしたが、発表日が日曜日であったために、午後からは合格した受験生がキャンパスを見学する姿が見受けられました。 
 

合格発表の様子。掲示板に受験番号が貼り出されます。

  

誰もが過ごしやすい環境を作るために


2月19日には、「アクセシビリティマップ作成ためのワークショップ」が学内で開催されました。
このワークショップは、どのような場所が障害者にとってバリアになり得るのか、実際に構内を歩いて危険な場所をマップに示し、起こり得る怪我や事故を未然に防ぐための注意点を盛り込んだ、「アクセシビリティマップ」を作成するための第一段階として開催されました。

このように、障害がある人とない人が共に学ぶことができる環境、そして障害がある人が過ごしやすい環境を作るための取り組みを行っているのが、津田塾大学インクルーシブ教育支援室(以下IES)です。 
 

障害がある人の目線で、構内を歩きます。

今回のワークショップでは、大きく2つの内容を扱いました。 
まずは肢体不自由や視覚障害を持つ学生から、外を歩く際、自身が感じている「バリア」についての講義がありました。 
 

講義の様子、スライドにはバリアの具体例が示されています。

手すりのない階段や、ちょっとした段差、点字ブロックなどの目印がない道路や、想定外の場所に置かれている自転車。私たちが普段気にも留めないようなものが、障害がある人にとっては身を脅かすバリアに変わってしまうということを、スライドやお話から学びとっていきます。 

外を歩く際の感覚について、お話を伺います。

次に、講義の内容を踏まえた上で、キャップハンデを体験しながら大学構内を歩きました。 キャップハンデとは、「不利な条件」を意味する「ハンディキャップ」の前後をあえて反対にすることによって、立場を入れ替えて考えてみようという気持ちから生まれた言葉です。

スロープが設置されていると、車椅子での通行がしやすくなり、かかる負担が軽減されますが、車椅子を押したり、足が不自由な人が歩行したりするには、幾分か角度が急なようです。

「キャップハンデ」という言葉の如く、学生は目隠しをして歩いたり、車椅子に乗って構内を移動したりすることによって、障害がある方々の目線で、構内の設備を見つめ直しました。また、そういった学生を補助する立場も同時に体験し、車椅子から乗降する時の大変さや、スロープの角度に問題があるという新しい発見も経験しました。

わずかな隙間であっても、杖がはまってしまうと途端に歩きにくくなるだけでなく、転倒の危険も高まります。

それだけではなく、スーツケースを持って歩くことで見逃しがちな段差を発見する試みを行ったり、多目的トイレや、スロープの設置場所を確認するなど、様々な角度からアクセシビリティについて掘り下げていきます。 
 

スーツケースを転がすことで、音に異変があるとすぐに段差があると分かります。

このような活動を通して、「バリアフリーの重要性を感じた」という声や、「当事者意識が芽生える良い機会になった」との声が学生から寄せられました。 
 
IESでは、新学期から新たな受講生となる学生の募集も行っています。4月20日、本館202教室において説明会が開かれる予定なので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
その他にも、IESでは様々な取り組みを行っています。IESの取り組みについては、IESの公式Facebookページにも随時更新されておりますので、ぜひご覧ください。

この取り組みが、誰もが快適に過ごせる環境に繋っていくとよいですね。 
 


春を待ちわびて

 

厳しい寒さが続いていますが、日の長さが伸びてきたり、穏やかな陽気に包まれる日があったりと、少しずつ春の気配が感じられます。 
グラウンド脇の梅林の梅からも豊かな香りが漂い、新たな季節の到来に向けて準備を始めているようです。 

春の訪れを予感させるかのように、梅林にメジロがやってきました。

咲き誇る梅の花の中で、メジロがひっそりと休憩中。

 

春はもうすぐそこ。 
3月のキャンパスレポートでは、津田塾大学から巣立ってゆく学生たちの姿をお届けいたします。
それではまた、3月のキャンパスレポートでお会いしましょう。