つだラボ

つだラボ #4 - LINEスタンプをつくろう(第二話 「絵から画像へ」)

これまでの経緯

昨年11月に、連載記事『つだラボ』の一企画として、「LINEスタンプをつくろう」が立ち上がった。

この企画は、plum garden編集部員が、自分たちの手で自分たちのためのLINEスタンプをつくってしまおう、というものである。前回の記事では、LINEスタンプチームの発足から、オリジナルスタンプの構想を練り始めるところまでを紹介した。

あれからもう半年近くが経過した。この間、わたしたちLINEスタンプチームが何をしていたのかをお伝えしたい。





 

「LINEスタンプ、描き終えました!」でもその後が大変。

「女学生キャラクター」のラフスケッチ。

そう、企画はじっくりと、しかし確実に進んでいた。
LINEスタンプチームの編集部員は授業の合間や昼休みを削り、放課後を使い、ひっそりとした編集部の部室で地道に作業を進めていたのである。

今回のスタンプのメインキャラクターは、様々な候補の中から「女学生」に決まっていた(このキャラクターの名前や設定は、わたしたちのスタンプがLINEの審査を通過した暁にお知らせしたい)。このキャラクターを、イラスト担当の部員が絵で「動かす」のである。次々とアイデアが浮かび、スタンプの下絵は着々と増えていった。
 

部室での作業。絵を描く人、PCで処理する人。

しかし、大変だったのはここからである。LINEにスタンプを提出する際には、紙に描かれた絵をPCに取り込んで画像データにしなければいけない。でも、どうやったらいいのだろう。描いた絵を写真に撮って取り込む?画質が劣化してしまいそうだ。PC上で直接絵を描き直す?PCで絵を描いたことがないし、そのための機材もない。わたしたちにもできて、特別な機材やソフトウェアを必要としないやり方を見つけなければいけない。

調べていくうちに、「スマホで撮影した画像を、LINEスタンプ用の画像に変換してくれるアプリ」を見つけた。これだ!と思い試してみたのだが、期待した通りの結果は得られなかった。わたしたちがスタンプ用に描いた原画は細かすぎるらしく、このアプリで変換すると細部が潰れてしまうのである。こんなことでクオリティに妥協をしたくはない。
 

作業中のメモ。手順はとてもややこしい。

様々な試行錯誤を経て結局、わたしたちはこんな手順で作業を行うことにした。
 
(1) 下絵を一度トレースし、余計な線がない絵にする。
(2) トレースした絵をスキャンし、画像データとしてPCに取り込む。ここから先はPCでの作業。
(3) 取り込んだ画像の汚れを消し、線を整える。
(4) 服の模様を描き足す。
(5) 色をつける。
(6) 背景を透明に抜く。

これで原画をスタンプ用の画像データにすることができるのだ。 

トレースされた原画。これをスキャンして取り込む。

ところが実際にやってみると、これはとても骨が折れる作業だったのである。まず、この工程で使うソフトの使い方を覚えるところから始めなければいけなかった。人に聞いたり、ネットで検索したりを繰り返して、少しずつ操作を覚えていった。そしていざ実際の作業に移るも、スタンプ一個分の画像を完成させるにも、結構な手間と時間がかかってしまうことがわかった。ましてや一セットのスタンプをつくるためには、同じことを計50個に及ぶ下絵に繰り返さなければいけないのだ。

思う通りに動いてくれないソフト。やってもやっても終わらない作業。イラスト担当の編集部員が作業中に歌いだしたり、次のスタンプの構想を練り出したりとフリーダムを満喫する傍らで、膨大な量の画像編集と闘い続けた。





そして、いよいよ大詰め。

長い長い作業を通して、どうにか完成した50個のスタンプ画像。わたしたちはこれを、LINEに一セットのスタンプとして登録できる40個まで絞り込んだ。本当に学生が必要とするスタンプはどれか、どのスタンプが使いやすいかなど、慎重に議論を重ねつつ決定していった。
 

PCフォルダ内にずらりと並ぶ、スタンプ用の画像。

そしてついに、わたしたちのスタンプを登録申請する準備が整った。申請したスタンプは、LINEによる審査を受けることになる。スタンプ内に暴力的な表現がないか、などがチェックされ、この審査に合格しなければスタンプが公開されることはない。
 
そう、いくら頑張ってスタンプの画像を揃えようとも、この審査に通らなければ全ての努力が水の泡になってしまう。わたしたちはこの数ヶ月、わたしたちのスタンプを世に送り出すために努力してきた。そしていよいよ最終段階、全ての準備を入念に完了させた。あとはよい結果を祈るのみである。
 
LINEによる審査の結果は次回の記事、「LINEスタンプをつくろう:第三話」でお伝えする。わたしたちはこの数ヶ月間の努力がどのような評価を受けるのか、期待半分不安半分で結果を待っている。みなさんにもこの企画の行方がどうなるのか、見守っていただければ幸いである。