つだラボ

つだラボ #22 - 女子校・共学校出身者による大学対談 第2弾

津田塾性向けに実施したアンケートをもとに、女子校出身の部員と共学校出身の部員で対談をしている本企画。第1弾では女子大学に対するイメージや、入学後に感じたギャップについての対談をご紹介しました。

第2弾では「共学に対して羨ましいと思うこと」、「女子大の魅力」についてご紹介します。

…共学高校出身
…女子校出身

共学に対して羨ましいと思うこと

ミナルーシュ:共学が舞台となる米澤穂信さんの『氷菓』などの小説を読んで、面白そうだなと思うことはあります。ですがほとんど共学にいたことがないので、実際のところはよくわからないです。

きょーか:私は女子大の居心地のよさや話しやすさに満足しています。ただ強いていうなら、高校時代に男子と気楽に話すのも楽しかったし、男子から飛んでくる意見が面白いこともあるので、異性とのおしゃべりが減るのは少し寂しい気もします。

Lina:女子大だからこそ女性特有の問題を話しやすいと思う人がいる一方で、共感しやすい人が集まる環境以外でも「男性側の意見を聞いてみたい」「批判的な意見をもっと聞いてみたい」といったアンケートの回答があったのが印象的でした。


女子大の魅力

次に学生が入学後に感じた女子大の魅力について対談しました。

りす:高校は共学でしたが、私は女子が大半のクラスで過ごしていました。それでも男子を意識してるところがあり、女性特有の話をするには勇気がいりました。しかし津田塾に入ってからは、そういう話もしやすくなった気がします。

東本:それこそ「生理で体調が……」ということも周りにシェアできるし、分かり合えるところがひとつの魅力だと思います。アンケートにあった「ありのままでいられる」という意見にはすごく共感しました。だからこそ、授業にも積極的に参加しやすいのかなと思います。

Lina:共学の大学に通う友人から「授業でオンライン会議をするときは男子が先に話し出すから、女子は最初何も言わない」という話を聞きました。女子大でもオンラインという距離感の取りにくい環境において、誰が先に話し出すかは問題になりがちですけれど、その基準に性別が入る場合があることに驚きました。無意識に性別の差を感じなくて済むのは魅力かもしれません。「女性には女性らしさを求める」という雰囲気もあまりなく、過ごしやすさを感じます。

ミナルーシュ:共学出身者はこのような経験をしてきたためか、ジェンダー問題を意識する機会が多いと感じています。私の場合、女子だけの世界が当たり前だったので、学校生活では女性の扱いを意識することが逆に少なかったです。

きょーか:私は女子大に入学してから、今まで全然気にしていなかった目線で物事を捉えるようになりました。授業でもジェンダーに関して取り上げる機会が結構あるし、周りの意識も高いと思います。家でテレビを見ていても感じますし、「父親が仕事、母親が家事」という固定観念もおかしいなと思うようになりました。女性の目線に偏向することも気をつけないといけないですが、新たな視点を得られたことは魅力だと思います。

りす:先ほどLinaさんも少し仰っていましたが、女子大だと積極的な話し合いができるのもよい点だと思います。会議のメンバーで女子が私ひとりだったら話しにくいと感じることもありました。

ミナルーシュ:発言しやすい環境に身を置くことで、社会に出てからも主体的に議論できるようになっていくのかもしれないですね。


更に、多くの学生から「女子大では服装やメイクを自由に楽しむことができる」という意見がありました。

きょーか:そうですね。それは女子大の魅力の一つだと思います。高校時代メイクは校則で禁止でしたし、洋服も全然センスがなかったので、大学生になったらどうしようってずっと思っていました。結局そんなに変える必要はなかったです。

東本:確かに、私は入学したときからオンライン授業でしたが、カメラをオンにするとしてもあまり身なりを気にせずに授業へ参加できました。

Lina:今は結構好きな服装で過ごしています。女子大だからこそメイクをしない自由もあるのだと感じることが多いです。

ミナルーシュ:私も割と好きなファッションをしていますし、メイクもしていないので、それはすごく分かります。逆に学部時代からの友人に、髪色がカラフルだったり、上下トラ柄の洋服を着ていたりする人もいるので、自由にファッションを楽しんでいる人も多いと思います。

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また、アンケートには就職に関するものもありました。

ミナルーシュ:「津田塾に来る求人は女子学生に対するものだから就職活動がしやすい」というアンケート結果がすごく面白いと思いました。いただく求人は津田塾が女子大であることを踏まえてのものなので、その企業に就職するうえで安心材料になるのかもしれません。

りす:そういう意見を私も聞いたことがあります。また、就職活動のサポートが手厚いことも女子大ならではかもしれないですね。


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最後に、アンケート結果を踏まえ対談し感じたこと、今後大学受験を控える高校生の方に向けて伝えたいことを編集部員に聞きました。

東本:私は個人的に女子大を推しています。さまざまなことを吸収する大学生活を女子のみの環境で過ごすことはよいと思います。大学を勉強する場として捉える人の場合は特に、積極的になることを厭わないでいられます。何かを頑張りたい時に人の目を気にせず自分らしくいられる点はすごく魅力的です。津田塾は真面目な人が多いと感じますし、真面目でいることが浮かない環境がありがたいです。

きょーか:偏見をもつ方がいるのは、きっと今の高校生も同じだと思います。でも私は津田塾に入って、人の目を気にしなくなり、自分と向き合うことができました。自分が着たいものを着ることから始まって、自分のやりたいことは何かに気づいて挑戦できるようになりました。無理に勧めるわけではないのですが、女子大への偏見だけで受験をやめようかなと思うのであれば、挑戦してみてもよいのではないでしょうか。

りす:私も高校生のとき女子大に偏見を抱いていました。入学後も、津田塾には女子校出身の人も多いと感じて構えたこともありましたが、周囲と親しみやすいことは女子大の魅力だと感じています。高校生の方には、女子大だからと敬遠しないでほしいです。確かに恋愛やサークルに関しては共学の方が盛んかもしれませんが、女子大だからこそできることもたくさんあると思うので、ぜひ魅力を見つけていただきたいです。

Lina:最初、私は女子校に通ったことがなかったため、特に理由なく共学の大学へ進学するのだと思っていました。けれど今は津田塾に進学してよかったと思っています。高校と大学の違いもありますが、心配していたことは実際には起こりませんでしたし、女子大への偏見もなくなりました。もしそれだけで候補から外している大学があるなら是非選択肢に入れてほしいです。



アンケート結果と対談から、女子校出身の学生も、女子大に偏見や抵抗感を抱いていた共学出身の学生も、入学後の学生生活に満足する傾向がみられました。女子大に入学してからも、他大学の学生と出会う機会を生かし自分の関心のある事柄を楽しむことは可能なようです。常にありのままの自分でいられることは女子大の特徴のひとつかもしれません。

今回の記事は、アンケートによる学生の声を基に学生が感じる魅力をご紹介しました。大学入試を控える高校生の方の応援に、あるいは津田塾大学をもっと知りたい!と感じていただけるきっかけになれば幸いです。


(イラスト担当:おぎのしおり)