わたしと津田塾大学

わたしと津田塾大学 #16 -「しなやかに、強く生きる女性を育てる大学」

Sori Doval Maja 先生 (学芸学部 国際関係学科)

津田塾大学ではどのようなことを教えていますか。

健康余暇科学科目の中でも1年次必修の「動きの教育」、2年次必修の「健康教育」を担当しています。「動きの教育」は健康的な運動習慣をつけるために体を動かす授業です。私の専門分野が武道ですので、授業の中でも空手の形を取り入れています。一方で「健康教育」の授業では、社会に出てからも役に立つような健康に関する知識を学生に教えています。


津田塾大学との出会いを教えてください。

 津田塾大学に勤めるきっかけになったのは、この大学にもともと勤められていた先生との出会いですね。その先生のご紹介で週に一度、非常勤で勤めていたのですが、その後専任の講師になれる機会があると知り応募をしました。その際に書いたエッセーに、世界女子柔道の母といわれている福田敬子さんの「つよく、やさしく、うつくしく」という言葉を添えました。とても魅力のある言葉で、津田塾大学の教育理念に合っていると思ったんです。この方は、日本の女性には結婚という選択肢しかなかった1960年代に、外国に渡って柔道を広めました。今では留学に行く人も多くなりましたが、当時女性が一人で外国へ行くことは考えられないことでした。それでも、向こうで日本人としての文化とアイデンティティーを大事にして、それが海外の人に伝わったということはすごいことですね。    


柔道と先生との出会いはどのようなものでしたか。

 もともとドイツでは空手をやっていました。道場でも教えていましたが、そのうち指導者として勉強をしたいと思うようになって、日本の大学院に入りました。指導者として他の武道も勉強しなくてはいけないと感じていたとき、柔道に出会ったんです。ゼミの先生が柔道で有名な方で、はじめは空手に柔道の動きを取り入れようと思って習ったのですが、柔道そのものに夢中になってしまいました。それから次第に指導法や、海外と日本の指導の違いへの興味が生まれてきたんです。今ではそれが私の専門になっています。


先生は日本語で授業をしてくださいますが、日本語を学ぶ際に役に立ったことを教えてください。

 はじめは日本の子ども向けの教材で勉強しました。小学生が使う漢字の本とか……大学院の教科書は、難しい言葉が多くてあまり好きではなかったんです。漢字は日本の子どもが習うのと同じ順番で勉強しないと、実際に使うことができませんでした。あとは、書く習慣をつけることが役に立ちましたね。手帳には日本語でメモをしたり、柔道の練習ノートも日本語で書いたりしました。とにかく、外国語は生活の中で使わないと上達しないですね。留学生として滞在していたときも、なるべく母語ではなく日本語を話す環境に身を置くようにしました。

 

津田塾大学の学生の印象を教えてください。

学生はとても真面目ですね。「動きの教育」の授業では、体の動きを言葉で説明しても、よく理解して指示通りに動くことができる学生が多くて、とてもやりやすいです。でも、真面目すぎるかなと思うこともあります(笑)。体の調子が悪いのに授業に出る人もいたりして……。勉強熱心なのはとても良いことですが、自分の体も大切にしてほしいですね。    

学生に向けてひとことお願いします。

もちろん大学での勉強も大事ですが、何かひとつ夢中になれるものを見つけてほしいですね。そのほうがより学生生活が楽しくなって、将来にもつながります。