津田塾探訪

セミナー訪問 森悠子先生・阿部曜子先生


初夏の風が清々しい、新緑の季節になりました。
新入生の皆さんも、少し大学に慣れて来た頃でしょうか。

大学には「講義」と「セミナー」という2つの授業スタイルがあり、多くの人が共通で修得する学びは大人数の講義で、それより一歩踏み込んだ学びは教員の指導のもと少人数で行うセミナーで学んでいます。
 
少人数教育を重視している津田塾大学では、各学科でさまざまなセミナーが開講されています。しかし、どのようなセミナーがあり、そこでは何が研究されているのかを知る機会はあまりなく、セミナー選びに不安を感じている1・2年生も多いかもしれません。そこで、私たちplum gardenの部員が実際にセミナーに訪問し、その様子をお伝えする連載を始めようと思います!

第1回は、国際関係学科の森悠子先生と英語英文学科の阿部曜子先生のセミナーでお話をうかがいました。


国際関係学科 3年セミナー 森悠子先生

「開発経済論」 

森先生のセミナーの特徴は何ですか?

このセミナーでは、途上国の福祉・貧困・経済成長などを経済学の視点から研究します。2018年度は英語で書かれている経済学のテキストの輪読を中心に行いました。
また、英語を重視し、英語のテキストを読み合わせました。まだ模索中のところもあり、2019年度はプレゼンも重視していこうと思います。

このセミナーを選んだ理由は何ですか?

内藤さん
スーパーでチョコレートの箱のフェアトレード商品であることを示すパッケージを目にして以来、中高生の頃から漠然とフェアトレードに興味を持っていたんです。大学に入ってからは、フェアトレード推進サークル「チカスウニダス」に所属し、さらに関心が強まりました。

上野さん
自分自身がカカオを一生懸命収穫してるのに、それがチョコになることを知らないアフリカの人たちの姿をTVで見て、途上国に対して興味を持ちました。

このセミナーの魅力を教えてください。

内藤さん
海外志向の人が多いこと、そして、先生、学生共に寛容であることですね。
東南アジアにすごく詳しい人や、ヨーロッパを一周した人がいたり、一人でアフリカにボランティア・インターンに行く人がいたり。
"経済学”というと、数字ばかりの冷たいイメージもありますが、本来そうではありません。人の行動のくせを分析しつつ、どういう政策プロジェクトがいいのか考える等、心理的要素も絡みます。

上野さん
同じセミナーの学生の問題意識の高さには驚きますね。みな考えをしっかり持っているので、日々刺激を受けます。
しかも、それぞれの活動の幅が広いので、ゼミに入る前には想像もしなかった体験を聞けたりして、違った視点を得ることが出来ます。
ちなみに私は来年度フィリピンの協定校に留学する予定です。

どのような学生に来てもらいたいでしょうか?

特定のイデオロギーに固執するのでなく、柔軟性を持ち合わせた学生に来てもらいたいですね。

内藤さんと上野さん

セミナーで使用するテキスト『Development Economics』

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英語英文学科 卒論セミナー(卒論指導) 阿部曜子先生

「イギリス文学・イギリス文化」

英語英文学科の4年生は4年セミナーまたは卒論セミナー(科目名は「卒論指導」)のどちらかを選択します。
阿部先生のセミナーでは、イギリス文学・文化を専攻している学生が卒論を書いていました。

卒論セミナーはどのような事をするのでしょうか?

セミナーでのプレゼンや個別面談などを重ねて、それぞれの学生が興味のあるテーマを深め、5000 words以上の卒論を書きます。テーマはさまざまで、今年は「第二次世界大戦とイギリスの心理学理論」「ラファエロ前派とテニソンが夏目漱石の作品に与えた影響」などがありました。
私のセミナーでは期限を提示して、それに沿って卒論の構成や執筆を進めてもらい、その都度添削やコメントをするという形をとっています。

色とりどり、題名さまざまな資料

卒論セミナーの特徴は何ですか?

1つの対象を1年かけて追えるという機会は、長い人生の中でもそうある事ではないですよね。それに、根拠に基づきながら自分の考えを伝えるというのは難しいことなんです。じっくり対象と向き合って、試行錯誤しながら考えを深める経験ができるのが、卒論セミナーの特徴だと思います。

卒論セミナーを受けて、その魅力や興味深かった点は?

竹本さん
私は蜷川幸雄によるシェイクスピア演劇の演出について書いたのですが、実はテーマが決まるまでの間にいろいろと脱線して、ギリギリになりました(笑)。でも「執筆の過程で脱線したり、最終的に捨てる部分が多い卒論の方が良い」と阿部先生にもおっしゃって頂いて。日本の演劇史を調べたり、劇の舞台である中東の地図を開いたりと脱線ができたのは面白かったです。
最終的には、自分が1年間そのテーマと向き合えるかを意識して選びました。3年生の頃から、さまざまなシェイクスピア作品を観たのですが、蜷川幸雄の演出が群を抜いて分かりやすく、面白く感じられたのです。それで、なぜ面白く感じるのか、何がそうさせるのかを知りたいと思いました。

筏井さん
3年生のイギリス文化セミナーで、実際に美術館を訪れてレポートを書くという機会がありました。そこでウォルター・クレインという19世紀に活躍した挿絵画家に出会い、彼の絵本に魅了され、彼と彼の作品についてもっと知りたいと思い卒論のテーマに決めました。
卒論を書いて良かったと思うのは、1年を通して、関心のある分野の様々な資料に触れられたこと、推敲を重ねながらテーマの対象と深く向き合えたことです。卒論を書くにあたり、クレイン自身についてはもちろんですが、彼の作品、19世紀のイギリスにおける芸術、子ども観、ブックデザイン、絵本の歴史についてなど多岐にわたる資料に当たりました。資料と言っても文献だけではなく、私の場合、クレインが挿絵を担当した絵本、同時代に出版された挿絵本、19世紀の雑誌の記事なども多く参照しました。
当たり前かもしれませんが、調べれば調べるほどいろいろなことが見えてきて、世界がどんどん広がっていきます。自分が関心を持つテーマについて、思う存分探求できるのは卒論の魅力です。クレインが何に影響を受け、どんな風に作品に影響を与えたか、どんなことを考えて絵本を制作していたのか。資料から得た情報をもとに自分の考えを膨らませる時は、たまらなくわくわくしました。
たくさんの情報から必要なところだけを取捨選択して卒論にまとめるのは簡単な作業ではなかったですが、一人の対象と長く、深く向きあうことができ、本当に幸せだったと今は思います。

阿部先生とセミナーの学生の皆さん

最後に阿部先生から一言、お願いします。

自分の中でテーマがはっきりと固まっていなくても、気になる対象が少しでもあるという人には、ぜひ卒論セミナーをおすすめしたいです。

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いかがでしたか?
この記事を読んで、少しでもセミナーに興味を持っていただけたら幸いです。

いよいよ始まった新年度、たくさんのよい出会いや学びがありますように!



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