つだラボ

つだラボ #16 - 小平キャンパスの松ぼっくりでクリスマスリースをつくってみた

豊かな自然に囲まれた小平キャンパス。
緑から赤や黄色に移ろう木々。落葉でできたカラフルなカーペット。ころころと転がる木の実たちが冬の訪れを知らせます。

そんななか、私たちが注目したのは「松ぼっくり」。冬が近づくと、キャンパス内に数十本ある松の木が一斉に松ぼっくりを落とすのです。

「キャンパスに落ちている松ぼっくりで、クリスマスのリース作れそうじゃない?」そんな部員のひとことがきっかけで、動き出したこの企画。今回の「つだラボ」では、津田塾生には親しみ深い道端の松ぼっくりが、大変身を遂げる様子をお届けします。

 

松ぼっくりを拾い集めるin小平キャンパス

まずは、キャンパスのあちこちで松ぼっくりを拾い集めることから。
小平キャンパスで集めることができる松ぼっくりは、「松」と「ヒマラヤ杉」の二種類。ヒマラヤ杉は「杉」と名が付くものの、実は「松科」だそう。ヒマラヤ「杉」の「松」ぼっくり。なんだかおもしろいですね。

松は一般的な形(左)ですが、ヒマラヤ杉はバラのような形(右)にも見えます。

集めるときに注目したポイントは以下の3つ。

① 形がきれいで欠けていないものを選ぶ
道に転がっているので、時たま踏まれて破損しているものもあります。特にヒマラヤ杉の松ぼっくりは柔らかく、指で簡単に崩れてしまいます。扱うときには要注意!

 

② 明るい茶色と暗い茶色をバランス良く探す
木から落ちて日の浅い松ぼっくりの色は明るく、そうでないものは暗くなっています。明るいものは、カラーリングせずに使うと松ぼっくりらしい色合いが出ておしゃれ。

 

③ いろいろな大きさのものを揃える
大小さまざまなものがあると、リースに変化が生まれるそう。小さいものはちょっとした隙間を埋めることにも使えるので、たくさんあると安心です。

はたしてどんなリースが出来上がるのでしょうか…。外は寒いですが、部員たちは元気に繰り出していきました。

 

しゃがみこんで松ぼっくりを拾う部員。

キャンパスのあちこちで、「あ、あった!」と松ぼっくりを拾う部員たち。普段は意識せず通りすぎる道が、よく見てみると松ぼっくりスポットになっていることも。最も多くの松ぼっくりが見られたのは、図書館前の中庭。かなりの数が転がっていました。


両手いっぱいの松ぼっくり。

直径30センチのリースを作るのに、松ぼっくりは15個ほどあれば十分。今回は大小合わせて4つのリースを作るので、およそ60個拾いました。

松ぼっくりでいっぱいになった袋を持って向かうのは、キッチンが併設されている6号館です。

 

水洗い&煮沸消毒をする

松ぼっくりの中に虫が潜んでいることを考慮して、水洗いと煮沸消毒で対処します。

まずはさっと水洗い。

冬の水は冷たい。

冷たい水にずっと触れている感覚は久しぶり。冷たくて、手が痺れます。

全ての手洗いが終わったら、次は煮沸。適量の水を入れ、火にかけます。
 

やけどをしないよう気をつけて。

加熱されていくうちに笠を閉じ、みるみる小さくなっていく松ぼっくり。楕円形に縮んだら、鍋から出して軽く水気をとります。

すっかり小さくなりました。

見たことのない松ぼっくりの姿と特徴的な松脂のにおいに、「松ぼっくりって食べられるのかな……」という発言も飛び出します。温かく茹でられた松ぼっくりは、確かに食べられなくも……なさそう……?

ここからはさらに、乾かしていきます。松ぼっくりを腐らせないためには、しっかり、じっくり待つことが肝心です。

ある程度冷めるのを待ってから、間隔をあけて広げていきましょう。

本館にある部室の床に新聞紙を敷いて、乾かしました。

毎日少しずつ開いていく笠を見守るのも、リース作りのちょっとした楽しみ。3日もすると、すっかり見慣れた形に戻りました。

いわゆる「松ぼっくり」の形に。

ついに、お楽しみのリースづくりへ

ここからはついに、「リース作り」の工程。毎年リース作りをしているという、企画広報課の職員さんにご指導していただきながら進めていきます。

リースのもととなる土台の部分は市販されています。装飾には、リボンやビーズ、リース作り用のボールを用意しました。その他にもカラースプレーや耐水性のある色ペンなどで松ぼっくりを着色すると、さらに華やかにリースを飾り付けることができます。

松ぼっくりや装飾を接着するには、「グルーガン」を使います。これは、スティック状の樹脂を熱で溶かす道具。樹脂が冷めるのと同時に固着が始まるので、誰でも簡単に接着作業をすることができる優れものです。

色とりどりの装飾たち(左)とグルーガン(右)。グルーガンは手芸用品店、その他すべては100円均一ショップで揃えることができました。

スプレーで銀色に。

松ぼっくりと装飾をどの位置に配置するか、どんな角度で接着するのか、ある程度の構想を練ったら、さっそく土台に接着していきます。

初めてのグルーガン。緊張の一瞬です。

「うまく付くかな…」

課題の大変さや恋愛の悩みまで、いろいろな話をしながら取り組むリース作りは、なんだか小学生の頃の図工の授業を思い出させます。最初のうちは和気あいあいと作業していた部員たちでしたが、夢中になるにつれ次第に口数は少なくなっていき…。

約3時間後、ついに完成!

個性豊かな4つのクリスマスリースが出来上がりました。

ベルに小さく描かれた「Merry Christmas」の文字がかわいらしい。赤色の松ぼっくりも良いアクセントになっています。

小平の自然をイメージしたリース。よく見ると、なんと「つだぬき(pg.tsuda.ac.jp/visiting/tsudanuki_and_kodairacampus.html)」が!

 

普段、道に落ちていても見すごしてしまう松ぼっくりが、こんなにかわいらしいリースになるとは、思ってもみない大変身。それぞれのリースに、作り手の個性が垣間見え、作るのはもちろん、互いに見せ合うのも含めて楽しい時間となりました。

余った松ぼっくりを使ってこんなものを作った部員も。

今回リースの装飾として使った松ぼっくりですが、写真のように一つで「クリスマスツリー」を作ることもできるのです。これなら松ぼっくりも少量で済み、短時間で作成できるので、小さなお子さんでも安心して楽しめます。

小さな飾りを集めて…ハイ、チーズ!カエル君の表情もなんだかいつもより優しげ。

・・・

いかがでしたか?

そろそろクリスマス本番。毎日寒い日が続きますが、大切な人たちと一緒に、クリスマスに向けた準備をするのはやはり楽しいものです。

皆さんも、ご家族やお友達と一緒に作ってみてはいかがでしょうか? 松ぼっくり集めと、少しの買い物、あとは自宅での作業で簡単に楽しむことができます。
きっと大切なクリスマスの思い出になること間違いなしです。