つだラボ
つだラボ #11 - 小平丸ポスト図録
丸ポストを撮る
みなさんこんにちは。plum garden編集部顧問の郷路拓也と申します。今回は、「TTC #6 - 小平市の丸ポスト、そしてあのご当地ヒーロー」のスピンオフ企画で、小平の丸ポストをひたすら撮り続けた記録です。
「小平市の丸ポストで記事を書きたいです」
「小平市の丸ポストで記事を書きたいです」
「じゃ、僕が写真撮ってきます」
きっかけはそんな感じでした。僕は小平在住で、自転車で大学に通勤しています。行きや帰りの道すがら、ちょっと寄り道して撮り歩けばいいや、と思って始めたのです。
まずは小平市のホームページで、丸ポストの位置を調べ、Googleマップに入力して記録します。これで、スマートフォンで地図を確認しながら丸ポストを探すことができます。
マップを作る過程で気がついたのは、思っていたより丸ポストの数が多いことでした。ひとつひとつの丸ポストが、それぞれ固有の位置情報と結びついて認識されると、それまで何となく全体的に「丸ポスト」と捉えていたときよりもたくさんあるように感じられるのです。この数の多さが伝わるような写真にしないといけない、と思い始めました。
色々試して辿りついたのは、「ひとつひとつのポストを、可能な限り同じ構図で撮る」ことでした。それぞれのポストは色んな場所に立っていて、構図を揃えるのもかなり苦労します。二ヶ月ほどかけて、週末や朝早くに自転車で小平市を回り、少しずつ写真を撮りためました。そして、許可なく入れない場所にあるもの(小平市の番号で#28、#33、#34、#35、#37)を除く32本の丸ポストを撮ることができました。
小平、まだまだ面白い
こうして並べてみると、丸ポストは一本一本、少しずつ違っていることがわかります。まだピカピカなものと、塗装が剥げかけているもの。歩道側を向いているものと車道側を向いているもの。まっすぐ立っているものと斜めに傾いているもの。ポストそれぞれに不思議な個性があり、それぞれから違った歴史が感じられます。
ポストは都市の情景の一部で、普段は特に意識することはないものです。しかし、こちらが向き合い方を変えると、それまでとは全く違う表情が見えてきます。今回写真を撮っていて感じたのは、「小平、まだまだ面白い」ということでした。日常の片隅に佇むものが、世界の見え方をちょっとだけ変えてくれることもあるのです。