わたしと津田塾大学
津田塾大学の留学生はどんな生活を送っているの? ~留学生から見た津田塾の魅力~
津田塾大学では、14の国・地域、30大学との交換留学制度があります。2023年の前期(4月~7月)は15人の交換留学生が在籍しています。留学生のみなさんは、どうして津田塾に留学することになり、どのような留学生活を送っているのでしょうか。
2022年9月から2023年1月まで、交換留学生として来日していた韓国出身のチョン・ユビンさんに、お話を伺いました。
チョン・ユビン(鄭有斌/정유빈)さん
韓国 ソウル出身
2020年 梨花女子大学数学科入学
2022年9月~2023年1月まで津田塾大学の交換留学生として来日
津田塾大学に来るまで
留学したいと思ったきっかけは何ですか?
高校生のとき、梨花女子大学について調べると交換留学の制度が整っていたので、梨花女子大学に合格したら交換留学したいと思っていたんだ。 私の大学は(規模が)大きいので、留学生も多いし、多くの先輩達も留学に行くんだよね。そこで、先輩達の留学のレポートを見て、海外の大学で勉強しながら、いろいろな場所に出かけることが楽しそうで留学に行きたいと思ったかな。
その中で日本に留学しようと思ったのはなぜですか?
韓国と近くて、韓国と似ている文化も多い日本がやっぱりいいなと思ったよ。
韓国と似ている文化はどのようなところですか?
お箸を使う文化が似ているよね。交通面についても、韓国と同じように地下鉄があるし、外見の違いもあんまりないし……。(笑)外見が違うと「あ、あれ外国人か」っていう感じになるけど、日本だと私を見ても外国人かどうか分からないので、日本人と同じように対応してくれるところがよかった。
*1 ユビンさんは交換留学に来る前に二度の来日経験がある。
留学先が津田塾大学に決定するまでの流れを教えてください。
日本への交換留学の場合、応募したら大体行けるけど、日本のどの大学になるかどうかは成績と面接によって決まるかな。日本の大学だけで28校もあったよ。
大学が複数ある中でどうやって選びましたか?
一番重要だったのは東京にあること。他の地域だったら方言を学ぶかもしれないと思ったからね。東京で方言ではない日本語を学びたかったんだ。あとは、寮がある大学を調べたかな。寮がなかったら一人暮らしになるけど、韓国でも実家から大学が結構近いから一人暮らしをしたことがなくて……。一人で暮らすのは怖いと思ったかな。
津田塾大学での留学生活
好きな授業は何ですか?
「交換留学生のための日本語Ⅰ(聴解・会話)」かな。第3タームは、ニュースの録音を聞いて、文章でまとめて、その後聞いた内容を確認するという授業だったよ。新しい表現とか暗記するし、内容をまとめることも先生が助けてくれて、たくさん学べたのでよかった。第4タームでは、数学科の先生にインタビューするプロジェクトがあったんだけど、インタビュー自体が初めてだったんだ。相手が先生だったので、敬語は難しいと思ったし、テーマを決めてから進むというプロジェクトが初めてだったけれど、先生がたくさん助けてくださったよ。
寮生活はどうでしたか?
隣の部屋も留学生だから、第3タームに授業が休講だったときに、部屋のドアを開けて、「休講だー!」って騒いだり……。(笑)友達と一緒に住むのは楽しいと思ったよ。
津田塾大学のいいところを教えてください。
先生が、学生一人ひとりを気に掛けているところ。梨花女子大学の私が所属する学科の人数は少ないけれど、大学全体の人数は多いので、自分の力で全部やるという感じだったんだ。だけど、津田塾では留学生問わず誰に対しても一人ずつ気にかけてくれる感じがよかった。2022年は交換留学生が多くなった*2と聞いたので、たくさんの国の人と交流できるのもよかったし、津田塾生のみんなが留学生と交流することが好きなようだったから、一緒に遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりしてくれて、嬉しかった。
*2 ユビンさんが留学していた2022年度後期(9月~1月)は過去最大の20名の交換留学生が在籍していた。
津田塾大学の先生が学生の一人ひとりを気遣う感じはどこから感じましたか?
他の留学生の多くは、国際関係学科(所属)の交換留学生として日本に来たけど、私は珍しく、数学科(所属)の交換留学生として来た。授業が始まったときに、日本語の授業の先生が私に「アカデミックアドバイザー*3の先生は韓国の方じゃないけど大丈夫かなー?」とか「今、数学の授業取っていると聞いたけど大丈夫?」とか聞いてくださって、留学生だからかなーって思った。でも、他の先生とご飯を食べに行ったときに「津田塾は留学生だから気に掛けるというわけではなく、津田塾生も一人ひとり気遣う感じだよ。例えばレポートを提出したら一人ずつコメントをして返すから、いい制度だよね」と言ってくださったんだ。一人ひとりの学生を大切にする津田塾の制度はいいなと思ったよ。
*3 アカデミックアドバイザー:交換留学生が履修登録をする際に、相談に乗ったり、履修を承認する先生のこと。
留学中の思い出を教えてください。
観光が楽しかった。川越は空が沢山見える景色がよかったし、横浜も夜景が綺麗だったので好きだったかな。また、チャットルーム*4 に参加して韓国語を勉強している津田塾生と一緒に韓国語で喋ったことも結構楽しかった。みんなペラペラで……。(笑)本当にいい経験になったよ。基礎的な韓国語を学んでいる方とは、日本語を少し交えながら喋っていたけれど、大体みんな流暢だから全部韓国語で喋ったりしたよ。
*4 チャットルーム:津田塾生が第2外国語の学習の一環として、ネイティヴスピーカーとお昼休みの時間等に気軽におしゃべりをする会のこと。ユビンさんは韓国語のチャットルームのネイティヴスピーカーとして活動を手伝っていた。
留学してよかったことを教えてください。
以前は一人で外国に行ったことも、一人で住んだこともなかったし、多くの外国人と交流したこともなかったけど、今では日本に一人で住んでいて、自分でやれることも多くなった。例えば、料理も洗濯も一人で全部やったことがなかったけど、(留学をして)ちょっと力が強くなった感じ?(笑)がするかな。また、韓国では、日本語を第2外国語として学んでいるけど、(韓国の)日本語の先生以外の日本人と日本語で話したことがなかったので、日本語を話せたのはいい経験だった。旅行で観光に行くのではなく、自分の勉強をしながら観光に行く感じも初めて。全体的に留学を通して、視野が広がった感じがするかな。
インタビューを終えて
4年間津田塾大学に通っていた筆者自身も、津田塾のよさは少人数教育で学生一人ひとりを大切にしている点だと感じていましたが、今回のインタビューを通して、留学生も同じ魅力も感じていたということが新たな発見でした。筆者自身、ユビンさんのビッグシスター*5 を務めていましたが、ユビンさんが津田塾で充実した留学生活を送れたことが何よりも嬉しく思います。これからもたくさんの留学生が魅力溢れる津田塾に留学し、実りのある留学生活を送ってくれることを願っています。
*5 ビッグシスター:交換留学生の相談に乗るなど、円滑に留学生活を送ることができるようにサポートする学生のこと。