わたしと津田塾大学

わたしと津田塾 #18 - 「寮生を見守る『お母さん』」

星野 利美江 さん、中西 陽子さん、望月 蘭子さん

津田塾大学構内の北の端、西寮、東寮、白梅寮の3つの学生寮があります。今回は、その学生寮に勤めていらっしゃる寮母さんにお話を伺いました。

現在、津田塾大学ではどのような仕事をしていらっしゃいますか。

大学内にある西寮、東寮、白梅寮の事務室に勤務して、寮生の皆さんが快適な寮生活を送れるようにお手伝いをしています。主な仕事は、宅配物や郵便物の受け渡しや寮内の見回り、学生生活課の方々と寮生さんの仲介などです。自治寮なので、寮生委員さんとのやりとりを大切にするよう心がけています。 細かなことはたくさんあるのですが、中でも一番大切に感じていることは寮生の様子を見守るということです。表情や顔色などを見て、元気がないなと思ったらなるべく声をかけるようにしています。

寮生のイメージを教えてください。

どの寮生さんも礼儀正しいと感じています。200人以上の寮生さんがいるので、名前と顔が一致せず、名前を間違えて呼んでしまった時も嫌な顔ひとつせずに対応してくださってありがたいです。また優しい方も多く、留学生の対応をしている際に言葉の関係で困っていると間に入ってくださるので助かります。津田塾生の英語力にはいつも感心しています。

津田塾の学生さんは真面目な子が多いという印象でしたが、寮に勤め始めて、それだけでなくとてもエネルギッシュな方が多いと思いました。臆することなく海外に出ていこうとするその姿勢や、寮内で黙々と勉強している姿を見ると、内に秘めたパワーを持つ魅力的な学生さんがたくさんいらっしゃると感じます。

印象に残っている仕事中のエピソードはありますか。

台湾からの交換留学生の方が退寮をされる時に、『一期一会』ね、と話をしたところ、彼女も知っていたこの言葉を、聞こえなくなるまで叫びながら手を振り合ったことがありました。様々な国の方々とふれあう機会を持つことができて、とても良い経験になります。 実家を離れ、慣れない寮生活を心細そうに迷っている新入寮生が、学年を重ね、授業はもちろん、サークル活動、アルバイト、就職活動と毎日充実した日々を過ごし、自信に満ち堂々と卒業、退寮する姿を見送る時、この仕事をしていて良かったと思います。

寮生に届いた荷物は寮事務室で管理してくださっているので留守中も安心です。

学生に向けてメッセージをお願いします。

津田塾の学生さんは優秀で真面目なので、もしかしたら頑張りすぎることがあるかもしれません。頑張っても辛すぎる時には逃げ場も必要ですよね。そういう時のために、自分の居場所を色々なところに作っておくのは大切だと思います。困ったことがあればいつでも相談してください。少しでもパワー溢れる皆さんの力になれたら……、と思っています。

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寮生活も今年で3年目。いつも私たちの生活を陰ながら支えてくださっている寮母さんのことを知りたくて今回の取材に至りました。取材中には、寮生のことをまるで我が子のように大切に思ってくださっているエピソードや、人生の先輩らしいアドバイスをお聞きすることができました。寮生や寮母さんとの『一期一会』の出会いを噛みしめながら、これからはもっと寮母さんとコミュニケーションを取って、日頃の感謝を伝えていきたいと思います。