わたしと津田塾大学

わたしと津田塾 #15 - 「津田塾大学をこれからもずっと撮り続けたい」

城下 武 さん(カメラマン)

現在、津田塾大学ではどのような仕事をしていらっしゃいますか。

今は主に卒業アルバムのための写真撮影をしています。まずは1年生の時の英語のクラス分けテストや、入学式の入校風景、式が終わった後に食堂や中庭で昼食を食べているところを撮ります。そのすぐ後にあるサークルオリエンテーションでも、新入生がサークル勧誘のチラシをもらうところなど、各サークルのブースを回りながら撮ります。他には、通りがかりの学生さんや中庭で色々楽しんでいらっしゃる普段の様子を、こちらから『写真撮らせてもらっていいですか』ってお声がけして、『いいですよ』って言っていただいたらスナップとして撮っておきます。その時に学年を伺って、その方たちの卒業アルバムに載せられるようにメモしておきます。会社としては千駄ヶ谷キャンパスの撮影もしていますが、わたしは小平キャンパスで長いことお世話になっているので、小平キャンパスで、学生さんのためにいいアルバムを作ることを常に念頭において撮影しています。

津田塾大学との出会いを教えてください。

最初はアルバム作成からで、昭和50年代の最初の方ですから、40年くらい前からですかね。当時はアルバムの中身も白黒の時代でね。カラーページは風景写真の数ページくらいしか入っていませんでした。よく学生さんに『いつ頃からやっているんですか』って聞かれますけど、『みんなが生まれる前だよー』って冗談で言っています。今は卒業アルバムだけですけど、20年位前には大学要覧なども作らせてもらいました。他には創立90周年の記念誌も手がけました。

津田塾生に対するイメージを教えてください。

こう言っちゃ失礼ですけど、30、40年前はちょっと地味かなという感じでした。例えば、当時の卒業式では、今だったら就職活動で着るような黒っぽいスーツを着る学生さんが多くて、ちょっと地味な印象がありました。でも今はみんなきれいな着物や袴を着ているので、もう全然です。私が思うに、こちらの学生さんは非常にまじめです。休憩時間は人通りがありますが、授業が始まるとほとんど人を見かけない。それだけみんな一生懸命勉強されているんだなあと思って、いつも感心しているんですよね。それは昔からで、その辺は今も全然変わっていないです。普通大学生っていうと、テレビとかでは遊んでいる感じも見受けられますが、津田塾生は、もちろん遊びは遊びでやるんでしょうけど、ちゃんと勉強するときはしていて、とっても真面目だなと思います。

印象に残っているエピソードを教えてください。

津田塾大学では四季折々色々な写真が撮れますので、私は人だけではなくてこちらの自然も撮っているんです。『え、なんで卒業アルバムにこんなに風景写真載ってるの』と思われるかもしれないんですが、私はこの大学さんのいいところをできるだけ載せたいと思っているんです。他の大学さんと比べてもらうと、多分そういうアルバムづくりをしているところは少ないと思うんですよね。数年前に御父母さんから『とってもいいアルバムです』とお手紙をいただいて。今私が申しあげたような気持ちで撮っているということを分かってくださって、『これからもこのような作り方を続けてください』と言ってくださいました。『ああ見てくださっているんだ』と思って、その時は本当にうれしかったですね。それでまた気持ちを改めて、『これでいいんだな』と思いながら毎年作らせてもらっています。

いつまで津田塾大学を撮りたいと考えていらっしゃいますか。

お願いされている限りは、ずっと続けていきたいと思っています。ただ、他にもやりたいって言っている者がいますから、若い人間に少しずつ教えていかないといけないとは思っています。私もいつまで続けられるか分からないけれど、長いことやらせてもらっているので、出来るだけやりたいと思っています。