キャンパスレポート
キャンパスレポート #58 - 2022年9・10・11月
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?寒さがより一層厳しくなり、マフラーが手放せない今日この頃ですね。今回のキャンパスレポートでは、津田塾大学の秋を彩った「石内都 in Tsudajuku-女たちのポリフォニー」展と、3年ぶりに対面開催された津田塾祭の様子をお届けします。皆様が2022年の秋に思いを馳せるきっかけとなりますように……。
「石内都 in Tsudajuku-女たちのポリフォニー」展
2022年10月、津田塾大学の卒業生、在学生、そして地域の方々をつなぐ「津田梅子記念交流館」の1階が、「山根記念ギャラリー*1」として装いを新たにしました。ギャラリーの竣工を記念して開催されたのが、「石内都 in Tsudajuku-女たちのポリフォニー」展。写真家として高名な石内都氏の作品が展示されました*2。
*1 山根記念ギャラリー:山根敏子氏(1941年 津田英学塾卒業)を顕彰し、その意思が将来国際的な活躍を希望する女子学生に引き継がれることを願って設立された山根奨学基金を記憶するためのギャラリー
*2 本展覧会の開催期間は、2022年10月6日~2022年11月11日(終了)
ポリフォニー(polyphony)とは、複数の声が重なっている音楽のこと。辞書では以下のように説明されています。
音楽用語。各声部が独立した旋律とリズムをもちながら、調和を保つ多声様式の音楽で、ギリシア語で「多」を意味するポリスpolysと、「音」を意味するフォノスphonosに由来する。(ブリタニカ国際大百科事典)
広島の被爆者遺品を写した「ひろしま」を中心に、石内氏のお母さまの遺品を撮影した「Mother's」、そしてフリーダ・カーロ*3の遺品の3シリーズが展示された今回の展覧会。それぞれが個々のテーマをもちながらも調和し、響き合っているかのようでした。
*3 フリーダ・カーロ:メキシコの女性画家。その絵の多くは自画像的な作品が多く(岩波世界人名大辞典)、鮮やかな衣装には自己プロデュース力を感じさせられる。
印象的だったのは、広島の少女が身につけていたというセーラー服の写真。戦時中と聞くと図らずもモノクロの世界をイメージしてしまいがちですが、展示された石内氏の写真には豊かな色彩が。自分が今ここに生きているのと同じように、この鮮やかなセーラー服を着た少女たちも広島に「生きていた」。それが生々しく伝わってきました。
展覧会に先立ち、10月5日に挙行されたオープニングセレモニーでは、髙橋学長を聞き手とした石内氏との対談も行われました。対談の様子は津田塾大学公式YouTubeチャンネルからご覧いただけます*4。
*4 石内 都(写真家)/髙橋 裕子(津田塾大学 学長)「石内都 in Tsudajuku -女たちのポリフォニー」展 オープニング記念特別対談
第63回 津田塾祭
10月21日・22日の2日間、第63回津田塾祭が小平キャンパスで、11月19日・20日の2日間、第6回津田ヶ谷祭が千駄ヶ谷キャンパスで開催されました。
今回は、なんと3年ぶりの対面開催。第63回津田塾祭を在学生も、足を運んでくださる皆さまも、期待を膨らませていたことでしょう。事前予約制のチケットは両日ともに完売し、多くのお客様にキャンパスを楽しんでいただきました。
今回のテーマは「#Crenexus」。メインテーマは、毎年在学生によるアイデアの中から、学内投票にて決定しています。今年はどのような想いが込められているのでしょうか?
Crenexusとは、創造を意味するcreationと繋がりを意味するnexusを掛け合わせた造語です。「コロナ禍の退屈な日々から抜け出すべく、新しく楽しめる方法を創り、学科やキャンパスを超えて繋がる学園祭になってほしい」という想いが込められています*5 。
*5 参照:第63回津田塾祭実行委員会(https://www.tsudajukusai.com/63mainposter-thema)
それでは、本館の展示ものぞいてみましょう。今年は、たくさんの団体の参加がありました。
私たちplum garden 編集部も、これまでの記事と写真を紹介する写真展を開催しました。
さて、今年度の津田塾祭もお別れの時間がやってまいりました。実際に足を運んでくださった皆さまはちょっと懐かしい想いで、残念ながらご来場いただくことが叶わなかった皆さまは新鮮な想いで記事を読まれたことと思います。
また来年、お会いしましょう。
いかがだったでしょうか?ゆったりと流れるキャンパスの秋の時間をお楽しみいただけましたら、とても嬉しく思います。
それでは、次回のキャンパスレポートもお楽しみに。