わたしと津田塾大学

わたしと津田塾 #19 - 「『斜め上』の人との関係を築く」

敦賀 和外先生(学外学修センター副センター長)

先生は、津田塾に来る前、どのような活動をしていたのですか

  実は僕、9回転職しているんです。新聞社、国連、NGO、外務省、そして大学など……。学生時代から国際協力に関する仕事はしたいと思っていましたが、まずは、縁のあった新聞社に就職しました。しかし、国際協力への想いを叶えるため、入社6年目で退職。大学へ戻り、国連に入りました。新聞社に勤めていた頃は、安定していましたし、国連に行けるという保証もなかったため、やめるという決断をするにあたっては、当然悩みました。しかし、「やらずに後悔するよりも、ダメだったらその時また考えればいい!」と決断し、夢を実現することができました。
  日本では、未だ転職に対して良くないイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。しかし、この時代、勤め先が将来にわたって安定している保証はありませんし、自身の関心も変化するものです。女性は、出産など人生の分岐点で、仕事のやり方を変えなくてはならない場面に遭遇するかもしれません。その時に、一つの会社の業務しか身についてないということでは、潰しが利きません。様々な場所で、自分の強みを見つけていくことが大事だと思います。自分のマーケット(市場価値)は、どこにあるのかを考え、自身を高めていってください。そして、他の人にはない自分なりの付加価値を身につけ、どのような組織でも働けるスキルを持ってください。それがあなたにとっての魅力となるでしょう。

学生には、第2タームをどう活用して欲しいですか

 津田生には、第2タームを使って、一歩踏み出せなかったことに挑戦し、「斜め上」の人との関係を作って欲しいと思っています。「斜め上」の関係とは、先生や家族、同世代の友達以外の普段出会えないような大人との関係を指します。この繋がりは、進路や生き方を考える時に、大切なものとなるでしょう。また、「自分の中のギャップ」と「社会の中にあるギャップ」を埋める時間にしてもらいたいですね。「自分の中にあるギャップ」とは、目標に向かう中で、今は足りていないスキルや経験のこと。「社会の中にあるギャップ」は、貧富、世代、文化、ジェンダーなど社会に存在する様々な格差のこと。この2つのギャップを埋めるためにキャンパスを超えて学んできて下さい。 

学外学修センターの役割を教えてください

  まず、学生には3タイプいると思うのです。1つ目のタイプは、大学や先生に口出しされなくとも自ら進んで活動できる人。2つ目のタイプは、何らかの事情を抱え、どう促しても踏み出さない人。3つ目のタイプは、インターンやボランティアなど何かやりたいと考えているけれど、躊躇して一歩踏み出せないという人。実は、この3つ目のタイプの学生が一番多いんですね。センターの役割は、このタイプの学生の背中をポンっと押してあげることなのです。そして1つ目のタイプへと導いていきたいと思っています。

津田生へのメッセージをお願いします

 津田生は英語に関心がある子が大多数です。しかし、漠然と英語力をアップさせたい!という子が多い気がします。もっと英語を使う先を考えて欲しいです。今の時代、英語が話せるだけでは通用しません。英語を使って何をしたいかという目的を持って学んでください。そして、やりたいこと、気になることは何かを考え、興味を持ったことに挑戦してください。その挑戦に関して、センターは、力になります。しかし、センターへ来ても、「何かおススメの学外学修プログラムはありませんか?」という質問にお答えしませんし、手取り足取り教えることもありません。センターが用意できるのは、舞台だけ。その舞台でどう演じるかは、皆さん次第です。舞台が崩れないようにしっかり支えますが、演出家、振付師ではないので、皆さんが自分で考えてベストなパフォーマンスをして欲しいと思います。大事なのは、「ぶれない」、「めげない」、「人と比べない」ことです。 

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世界各地で様々な経験を積まれてきた敦賀先生。そんな先生だからこそ、ひとりひとりに合ったプログラムの提案や的確なアドバイスをしてくださるのだと強く感じました。ぜひ皆さん、目的のあるインターン、ボランティアを探しているのであれば、学外学修センターを訪れてみてはいかがでしょうか?笑顔が素敵な敦賀先生が力を貸してくれることでしょう。