わたしと津田塾大学

私たちが創る寮生委員像


皆さんは、津田塾大学の敷地内の学生寮「白梅寮」をご存知ですか?
白梅寮は学生が規則や係を決め、大学と協議をしながら在寮生全員で運営する自治寮です。今回plum gardenでは、白梅寮を日々支える寮生委員の4名にお話を伺いました。

「寮生委員」とは、寮長1名、副寮長2名、会計1名で構成する、寮の運営を行う学生のことです。寮生委員になるために必要な条件は特にありませんが、次期寮生委員を決定する際に立候補、または推薦のアンケートを実施します。人柄や普段の行いなどが寮生委員に選出されるポイントのひとつになります。

寮生委員の4名がどんな仕事をしているのか、どんなことが大変か、白梅寮をどんな寮にしていきたいのかなど、包み隠さず話していただきました(お話を伺った4名は取材当時の寮生委員です。学年も取材当時のものです)。9年前に行われた白梅寮寮長へのインタビュー記事も合わせてご覧ください: 『和やかな白梅寮での寮生活

みなさんが津田塾大学に入学しようと思った理由を教えてください!


Hさん:私の姉が都内の女子大に通っていて、漠然と女子大がいいなとずっと思っていました。ある日、父から津田塾大学はどう?と勧められ、気になって調べてみたら、津田塾大学の強みである少人数教育が私に向いてると思い、志望しました。

Tさん:高校は女子校に通っていたんですけど、 女子校では自分の意見を発言しやすかった印象があり、女子大の方が自分の考えを発信しやすいんじゃないかなと思っていました。また、 国際関係学科があることを知って、英語やグローバルなことを学びたいと思ったことが決め手でした。

Gさん:少人数教育が徹底されていて、先生との距離が近いことに魅力を感じました。英語を勉強するなら津田塾大学がおすすめだよと先生から言われたのも大きいです。

津田塾大学に入学するにあたって、一人暮らしをする選択肢もあったと思います。その中で、なぜ寮に入ろうと思ったのですか?


Tさん:
家族と離れて暮らしたことがなかったので、 私も両親も一人暮らしには不安があり、お互いにとって、 寮で生活するのが安心かなということが1番にありました。あと、キャンパスの正門に守衛さんがいることや、もし勉強で困ったことがあってもすぐに寮生の先輩に相談できるだろうという安心感もありました。それから、一人暮らしをして、家賃が高いところに住むよりは、その分お金を貯めて留学などに使いたいという気持ちがありました。

Hさん:私もTさんと同じような感じで、防犯の面で大学の敷地内にある寮が安心だなと思っていました。あと、コロナ禍に入学して友達ができるか不安だったので、寮だったらいろいろな人と仲良くなれるし、思い出作りもできるかなと思いました。

みなさんは、どうして寮生委員になりましたか?


Tさん:直接、私の部屋に寮長が来て誘っていただいたのがきっかけです。最終的には、真面目さが評価されて寮長を引き受けることになりました。

Nさん:同じフロアに住んでいる会計の方に誘われたのがきっかけです。最初は、会計の仕事をしたことがなく不安を感じて断ろうと思ったんですけど、すごく困っている様子だったので引き受けました。

Gさん:以前の副寮長と仲が良く、気軽に話せる間柄でした。ある日、「良かったら、副寮長やってみない?」とその方から連絡が来て、やってみよう!と思って引き受けました。

大変な時期もあったようですね。皆さんは寮生委員になってから、どのような目標を立てて運営をしていましたか?


Tさん:寮といえば、みんな仲良しで誰とでも話し合える関係というイメージがあり、気軽に話せる関係性を築きたくて入寮したのですが、いざ入寮してみると、コロナ禍でルームメイトとしか話せないなど、イメージとは少し異なっていました。寮生委員になった時、"横の繋がりも縦の繋がりもある寮”をつくることを意識していました。だから新入生が入ってきた時も、できるだけ顔と名前を覚えて、みんなでご飯を食べに行ったり、ゲームをしたりしました。寮外で会った時でも挨拶をできる関係を作りたいと思いました。寮生委員になって1年が終わるぐらいの時に、前の寮長からその部分を褒めてもらって、「今年は、寮生同士の雰囲気いいね!」と褒めてもらえました。例年と比べ、退寮者も少なく嬉しかったです。

私も寮の新入生オリエンテーションに参加しました。ゲームや会話を通じて、同じフロアの子と仲良くなることができました!


Tさん:嬉しいです!私が入学したときはコロナ禍でそういったイベントがなかったので、とにかく相談しやすい雰囲気作りを目指していました。「みんなで仲良く!」というのは、寮生委員4人とも共通の考えだったと思います。

Hさん:今振り返ると、寮生委員で「こういう寮にしたいね」と直接話し合ったことはなかったですね。でも、Tさんが新入生レクリエーションに来てくれた寮生のためにお菓子を準備する姿を見て、"横の繋がり”を大切にしていることが伝わってきました。言葉を介さずとも、自然にその想いが共有されたという感じがあると思います。個人的には、もちろん‟繋がり”とか"仲の良さ”っていうのもあるんですけど、誰かがやってくれるだろうとか、自分が汚したり壊したりしても別に大丈夫みたいなのはちょっと嫌だなと思っていたので、寮として"きちんとした自治寮”になれたらいいなと。一人ひとりが協力する姿勢をもつ意識づくりを目標としていました。

Nさん:
私が担当する会計はお金が関わることなので、公平性を大事にしていました。友達に対しても、共通の規則のもと、同じ対応をするように気をつけていました。

Gさん:いかに変化に気づけるかというのは大事だと思います。時には、寮生同士のトラブルに踏み込みすぎてしまったこともありましたが、寮生委員として観察力は大事だと思います。

寮生委員として活動する上で、大切にしていることはありますか?


Tさん:全部自分でやってしまおうと一人で抱え込む癖がありました。寮長として生活する中で、途中から「もっと誰かに頼ろう!」と意識するようになったと思います。あと、自分が寮全体に発信する時、誤解を招かない言い方を心がけていました。

Hさん:私は"副寮長”という立場をみんなに分かってもらおうという気持ちが大きかったです。 発信したりお願いしたりする側の人間として、言ってるけどできてないじゃん!と思われないように、言ったことはちゃんと自分で守ろうと意識していました。

Gさん:Hさんも言っていましたが、自分がルールを守れないとダメですよね。自分も副寮長としてちゃんとやらなきゃ!という思いがありました。 あと、学年に関係なく、どんな些細なことでも相談してほしいという気持ちがあったので、自分から積極的に寮生に声をかけるようにしていました。

Nさん:私の日頃の寮生活がだらしない感じだと、この人に会計を任せてもよいのか不安になってしまうと思うので、真面目さは大事だと思います。

寮生が集まって食事や会話を楽しむ共有スペース

他の寮生、先輩や後輩と接する際に気を付けていることはありますか?


Tさん:先輩や後輩に関係なく寮長として、"ダメなものはダメ”と言うことを心がけていました。寮は自分の生活の場なので、よくも悪くもみんな素を出すというか、本気でぶつかってくれます。すべての望みを受け入れてしまうと、自治寮として機能しなくなってしまうので、日々、葛藤の連続でした。

Hさん:寮生からの相談に関しては、客観的に判断するように心がけていました。学年が一つ上の私に、きっと寮長のTさんは言いにくいこともあるだろうから、「遠慮しないで〜」と伝えていました。

Nさん:寮内のルールに関わる場面では、異なる立場の寮生の意見を聞くことも多く、その間で調整が必要になることもありました。そうした際には、特定の誰かに偏るのではなく、できる限り中立的な立場で状況を捉え、冷静に対応することを意識していました。

Gさん:副寮長としてではなく、一人の人として接してもらえるよう意識していました。役職に就いていると、どうしても「怖い」というイメージをもたれてしまうことがあると思うので、そうした印象を与えず、話しやすい雰囲気で関われるよう心がけていました。また、人間関係に踏み込み過ぎるのもよくないと考えていたため、距離感を大切にしつつも、「これは伝えた方がいい」「こうした方がいいのではないか」と思うことについては、きちんと伝えるよう意識していました。

きっかけはさまざまですが、人柄が評価されたんですね!寮生委員になってから、特にどんな場面が大変でしたか?さらに、寮の中には、留学生も多く在籍していると思います。留学生から相談を受けた時にどう対応されているのか気になりました。


Tさん:5月の上旬くらいですかね。新入生を迎え入れて、楽しく1年が始まったのですが、ゴールデンウィーク明けぐらいから、いろいろな部屋で問題が生じてしまいました。1年生が仲良くなれたらいいなと思い、1年生同士をペアにしてみたのですが、寮生活が初めて同士での同室はうまくいかないことも多かったようです。Nさんはどう?

Nさん:留学生からの相談への対応では、言葉の壁がありましたね。 私は、カタコトの英語とジェスチャーで留学生とコミュニケーションを図っていました。

Tさん:寮の中に英語が流暢な学生がいて、通訳をお願いしたこともありました。英語で意思疎通が図れる寮生に、仲介役として間に入ってもらうのもひとつの手かもしれません!

先ほど、大変だったエピソードを聞きましたが、逆に、寮生委員になってから楽しかったことやプラスに働いたことはありましたか?


Hさん:私は、この寮生委員の4人といる時が楽しかったです!それまで、自分のルームメイトとしか話すことがなかったので、副寮長になったことで他の3人とも仲良くなれたし、自分も寮生活に対する意見を言おうという意識が芽生えました。 寮母さんや学生生活課の職員の方と関わる機会が増え、「やってみよう!言ってみよう!」と前向きな気持ちになれたのは大きかったと思います。

Gさん:後輩が、キャンパス内で会う度に声をかけてくれるなど、ちょっとした悩み事とかを話してくれるようになり、寮生活が楽しくなりました。また、役職に就いたことで責任感が生まれました。寮生の一員という気持ちをしっかりもてたので、とてもよい経験でした。

寮生委員として、どのような時にやりがいや達成感を感じますか?


Tさん:寮生が相談に来てくれた時は、頼ってくれてるのかなと思えて、やはり嬉しいです!相談しやすい雰囲気を目指していたので、みんなが集まってたわいのない話をして、一緒に勉強するなど、そういう時間も楽しかったですね。

Hさん:寮母さんや学生生活課の職員の方と話す時ですね!「今年はこんなところがいいね」と褒めてくれた時や、 自分たちがやってることを気づいてもらえた時がすごく嬉しかったです。私は清掃の方と話す機会があったのですが、「使い方、綺麗になってるね!」と言われた時は、自分たちが行っていることがしっかり評価されてる気がして嬉しかったです。

Gさん:私は、あまり人をリードするタイプではないので、最初は不安だったのですが、副寮長を1年半にわたって務めた経験は、自分の糧となっています。責任感も生まれたし、"想いを言葉にしないと伝わらない”とか、"行動しないと変わらない”ということを痛感しました。

最後に、今後の寮生委員に期待することはありますか?


Tさん:私たちと同じようにする必要は全然ないです。ただ、メンバーとしっかり話し合いながら寮を運営してほしいという気持ちはあります。私たちはたまたま4人の方向性が同じだったからよかったけど、運営メンバーがバラバラになってしまうと、協力が難しくなってしまうと思います。仲良く協力しながらやってくれたら嬉しいです!

Hさん:仕事をうまく分担して、誰か一人に偏ることなく、みんなで協力してやってくれればいいなと思います。社会に出たら、同年代の人と一緒に共同生活することはあまりない経験だと思うので、楽しみながら寮母さんや、学生生活課の方と関係を築いて運営してほしいなと思います。

Nさん:寮生から相談を受けたら、まず寮生委員みんなで共有しておくのが良いと思います!どこかで問題が起きたら、違うところでも同じような問題が起きるかもしれないので、情報共有は大事だなと思います。

Gさん:
"この人、言ってること違うな”と思うことはあるかもしれませんが、それを含めて多様性だと思います。人それぞれ考え方が違うのは当たり前なので、それらを認め合いつつ、寮の規則をしっかり守って運営してほしいと思います!

最後に


いかがでしたか?在学生の皆さんも、白梅寮について初めて知ることや、思っていた様子と違う部分が盛りだくさんだったのではないでしょうか。今回の記事で寮生活の面白さや寮生委員の仕事内容などに興味・関心を持っていただけましたら、寮長を務めた身としても非常に嬉しいです!

寮長としての任期開始から一年が経ちましたが、対応に困ったことや、自分だけで解決した方が早いのではないかと悩んだりしたことが昨日のことのようです。今回お話を伺った4名の方や、私の一任期前に寮長を務めていた方から、トラブルがあった場合の対処方法や、他の寮生委員を頼ることの重要性など、たくさん教えていただいたことを思い出しながら、自分を奮い立たせてきました。先輩方からのアドバイスに助けられ、ようやく自分なりの寮運営と、目指す寮の姿が掴めたと感じています。